第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
「う、うん、ごめんね。
わざわざ届けに来てくれて」
「いや、いいんだ。
俺も今更だって思ってたけど。
どうする事も出来なくて困ってたからさ」
渡したいと思ってそうした事で
結果として私と別れる事になったから
渡す事も捨てる事も出来ずに
彼の手元に残ったままだった
高校の時の彼の第二ボタンで
彼と別れ話をした時に
受け取って欲しいと言われたのを
断わったボタンだったから
「約束…、あの卒業式の日に
守れなくて、ごめん」
「違ッ、辺は…ッ、健太郎は
ちゃんと約束守ってくれてたのに。
私が、ちゃんと話健太郎から聞かないで。
ボタンだって、受け取らなかったから…」
その時の記憶が蘇って来て
今更 それを後悔しても仕方ないけど
あの時の私は 彼の気持ちが
梓の方に移ったんだとばかりに思ってたから
「でも、梓の言いなりになってた
俺も悪いんだ。だから千咲が
あんな風に俺が悪いって言うのも分るし。
みくりの気持ちが俺から
離れた理由も分ってるからさ」
ちょっと話せる?と言われて
家の車庫の前にある
近所の人と話しする時に
おばあちゃんが使ってる長椅子に座る
「俺、みくりと別れた
1年後にさ。大阪でやってた
花火大会に、梓と行ってたんだ」
健太郎と別れて1年後の大阪の花火大会は
奏さんと明日香ちゃんと行ったやつだ
まだその時は奏さんとは
付き合う前だったけど
健太郎も来てたんだあの花火大会
「あの時にさ、みくりと
一緒に居た男じゃないじゃん?
あれは、煉獄さんの前の彼だとか?」
「なっ、何でそんな事、聞くの?
その人とも終わってるから、
杏寿郎と結婚してるんでしょ?
ちょ、そんな目で見なくていいじゃん。
杏寿郎と付き合い出したのは22歳からだよ。
って、どうして健太郎が
そんな事、気にするの?関係なくない?」
「関係なくも無いだろ?みくり。
昔俺達は、付き合ってたんだから。
俺にとっては、その…ッ、
小学時代からの初恋の相手だった、
訳だからな。お前の事は」
ちょっとムキになって口調が
荒くなってしまって居たが
彼の口から出た初恋の言葉に
キチンと椅子に座り直して
「私も、そう…だったからッ…」
くしゃと頭をその手に撫でられて
零れそうになっていた涙が
ツゥーと一筋頬を伝って膝の上に落ちる