第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
「みくりちゃん、
ビールは嫌いじゃなかった?」
「うん、嫌いだったんだけどね。
彼がビール好きだから、色んなビールをね
飲むようになってさ。ビールって
奥が深いんだなって、美味しい飲み方とかね。
自分が飲みやすい味とかもわかったからさ」
そう言ってビールのグラスに
パウチの梅酒を注ぐと
祖母にもグラスを近付ける様に促して
その中に梅酒を注ぐ
「梅酒、ビールに入れちゃうの?」
「梅酒だったら、買って来なくても
家のを飲んだら良かった。
おばあちゃんの梅酒も美味しいから」
「ビールに梅酒って合うの?」
辰巳が意外な取り合わせに
そう質問して来て
「梅酒のくどい甘さを、
ビールの苦味がかき消してくれて。
梅酒の香りが前に出て来るんだけど。
その後ろにビールの香りもちゃんとあってね。
私が苦手な、ビールの苦さを
中和してくれるんだよ、梅酒割りにすると」
騙されたと思って飲んでみてと
祖母にそれを飲む様に促すと
「あらやだっ、美味しい。
おばあちゃんもビール苦手だけど。
これだったら、苦く無くて
沢山飲めちゃいそうだわ」
初めて飲んだビールの梅酒割りに
祖母は驚いた様子でいつもは
そんなに飲まないのに
美味しそうに飲んでいるのを見て
祖父の方もそれを見て
興味がわいた様で
「おじいさんも、梅酒割りにされますか?」
「あ、ああ。珍しいからな。
あんな風に幸江がビール飲むのは見た事がない」
みくりがおばあちゃんは
お料理上手と言ってたので
祖母の作った夕食はどれも美味しくて
パリッと焼けた餃子も
七輪で焼いた秋刀魚もビールが進んだのだが
ある程度した頃に
片山伸介こと みくりの叔父が戻って来て
「ただいま。オイ、みくり。
家の表に、お客さんが来てるぞ?
行ってやって来いよ、渡辺君」
「俺はここに居るから、
行って来るといい。彼が待ってるんだろう?」
一緒に来てくれるのかと思ってたけど
私ひとりで行って来ていいと
杏寿郎が私に行って来て
「ちょっと、行って来るね」
そう言って夕食の席を中座して
玄関の方へ向かうと
外には渡辺の姿があって
「ああ、夕食の時間だったか。
あの後、会場の片付けとかしてて。
それから、家戻って、取って来て
そのまま、その足でこっち来たからさ」