第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
そのまま その場から
少し離れた場所にある
公園のトイレの個室に籠る
はぁっとみくりはため息をついた
荷物の中にノンアルコールの
ウエットティッシュあって良かったけど…
それも流しても大丈夫な奴で良かったけど
この後どんな顔して
辺のブースに顔を出せと言うつもりなのかな
杏寿郎は杏寿郎でああは言ったけど
複雑な心境だったのはだったんだろうけど
一瞬だけだったとは言えど
彼とそうなってる未来が自分の脳裏に浮かんだから
千咲ちゃんじゃなくて自分がって
辺の…健太郎の隣に居たんじゃないかって
そんな事を考えたから
彼がした事に対して
こっちもこっちで後ろめたい部分があって
どうこうと咎める事も出来ないけど
そんな事を個室のトイレに座ったままで
しばらくうだうだと考えてしまって居て
はぁーーーっと深いため息をつくと
自分の衣服を整えて
個室を後にした
トイレから私が出ると
杏寿郎は…若い女性の二人組に
声を掛けられていて
「ごめん、杏寿郎お待たせ。
女性用のお手洗い混雑してたから」
ススッとその女性の二人組と
杏寿郎の間に割って入って
そのまま杏寿郎の腕に自分の腕を絡めて
ぴったりと自分の身体を杏寿郎に寄せる
「どうしたんだ?みくり。
君の方から、そうして来るなんて珍しいな」
「別に珍しくもないじゃん。えっと
そちらの可愛らしいお嬢さんお二人は
杏寿郎のお知り合い?」
「いや、知り合いと言う事もないが。
メイン会場への行き方を聞かれてたんだ。
ああ、渡辺君の店に行くか?なら、行くか?」
その二人組と別れて
さっき居た場所の近くを通るのは
それはそれで何とも言えない気分になる
ちらちらとみくりが
さっきそうした場所の辺りを
気にしてる様にしていたので
「どうした?みくりこっちの通りから
さっきの場所が見えないか確かめてたのか?」
むぅっとみくりが口を尖らせて
ギュウウっと腕に回していた
自分の両腕に力を込めて
杏寿郎の腕に自分の身体を寄せて来るから
二の腕に彼女の胸の柔らかい
膨らみを押し付けられるし
どうにも俺の手の先の辺りが
際どい場所に近くなるんだがな
「珍しい事もあるもんだな」
「人の事っ、どうこう言うけど…
杏寿郎だって、…トイレ行ってるだけで
あんな風に声かけられたりしてるし」