第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
「だったら、どうして…ちゃんと
あの時に私に、話してくれなかったの?
誤解だったって事でしょ?全部、
私が勘違いしてただけなんでしょ?」
「違うっんです、みくり先輩。
バカ梓も悪いんですけど、
健太郎先輩も悪いんですッ」
完全に勘違いだったのかと言った
みくりに対して千咲がそう話して来て
「千咲、もう言わなくてもいいだろう?」
彼も彼女と結婚していて
彼女も俺と結婚してるのだから
あの時の誤解を解いた所で
それに意味はないと彼は言いたいのだろうが
「私が、納得できないのッ。
健太郎はそれでいいって言うけど。
私が、それじゃ納得できないの」
千咲のその先の言葉を
遮ったのは杏寿郎で
「悪いが、千咲さん。その先は
言わない方がいい。貴方の為にも
俺の為にも、貴方がその腕に
抱いているその子の為にもだ。
だが、渡辺さんからは何か
俺の妻に伝えておくべきことは無いだろうか?」
「俺から…、伝えたい事…」
きっとあの当時の事を
彼はちゃんと話せなかった事を
後悔していたんだろう
誤解と勘違いを重ねる度に
亀裂とずれが生じて
2人の間には溝が出来ていたのだろうが
そのまま渡辺は言葉を発する事なく
黙り込んでしまって居たが
話したい事が多すぎて話せないのだろうが
「俺の…、第二ボタンは…俺の手元にある」
「……健太…郎、そう…、でもそれは…もう」
私が受け取る事も出来ないのに
健太郎が守ってくれたのは
あの時の 高校三年生の時に
私とした 約束 を
彼はきちんと守ってくれてた…んだと
その真実を今になって知って
あの当時にこの誤解を解けていたのなら
今の私は…もしかしたら 杏寿郎とは
結婚してなかったのかも知れないと
そんな風にすら 思えて
「みくり。これは一種のけじめだ。
それをどうこうするんじゃない。
彼の為にも君の為にも、そして
千咲さんの為にも俺の為にもだ。
彼のボタンを彼から受け取るといい。
あの時の君と彼の為にも、
君が持って置くだけでいい、そうすればいい。
君はそれを千咲さんにとでも
言いたいかも知れないが、それは
千咲さんには重たいだろうからな」
杏寿郎の言葉に否定も肯定も出来なくて
そのまま杏寿郎に身体を支えられると
彼の身体に自分の身体を隠す様にしていて