第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
「子供の面倒を見てくれるなんて…、
そんな素敵な旦那さんを
見捨てるなんて。見る目のない
フラミンゴがすることだって…ね?」
「まぁ、俺が熱心に子供の
面倒を見た所で、この髪が
色褪せたりしたりはしないからな」
杏寿郎がそう言ってハハハハと
笑って顔を上げた時に
こちらをじっと見ている
みくりと目が合ってしまって
こっちが冗談の様に言ったのに
あっちは目を丸くさせていたかと思うと
穏やかな笑顔に変わって行って
その顔を見て そうかと
自分が父親になるって言う事は
こう言う事の積み重ねと繰り返しなのだろうなと
不意に目の前の彼女の顔を見て
俺は感じてしまわずに居られないのだが
テーブルの隅に置いていた
みくりのスマートフォンから
LINEの着信音がして来て
「あ、おばあちゃんからだ」
出てもいいっと言いたそうな
仕草をみくりがして居たので
言葉にせずに首を縦に振ると
みくりがスマートフォンを持って
部屋の階段箪笥の陰に隠れて通話を始めて
まぁ 隠れていても同じ部屋なので
会話は筒抜けて来るのだが
「え?うん、あ、そうなの?
うん、じゃあ、そうするね。帰りさ、
夕飯のギリギリ前とかでもいい?
え?あ。パンツね、パンツはちゃんと
帰りにコンビニで買うからさ。
そんな何回も言わなくても憶えてるってばッ!」
みくりの言って居る事からするに
また祖母に帰りにコンビニで
パンツを買って来いと言われていた様で
みくりは大人になっていても
祖母からすればいつまでも
あの家で過ごした頃のみくりのまま
なのだろな まぁ少々奥さんは
忘れっぽい所があるから
念を押してるんだろうが…
通話を終えて戻って来たみくりに
どうだったんだと声を掛けると
「ああ、この辺は山ばっかりでしょ?
移動販売してる、お魚屋さんがね
週に3回来てくれるんだけどね?
で、さっき家に来てたらしくてね?
おじいちゃんが、秋刀魚を買ってくれたから。
ここで山女魚の持ち帰りしなくていいよって」
「君は、秋刀魚が好きだもんな」
「私も好きだけど、おじさんも好きだからね。
それに、辰巳君も秋刀魚好きだから。
七輪で秋刀魚をね
焼いてくれるってさ、おじいちゃんが」
自分の子供と可愛い孫たちの為にか…
栗の事と言い今と言い…