第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
持留 やまめの里の
満喫スペシャルフルコースと
今日の昼食の事を持留が言って居たが
尺山女魚を使った
刺身とカルパッチョと
塩焼きと箱寿司が
大皿に盛り合わされて居て
炊きあがるのに時間が掛かるからと
山女魚の釜めしの固形燃料に火を入れる
先程釣った山女魚が塩焼きと
唐揚げになるのを待つ間に
大皿に盛られた尺山女魚と
もうひとつの目的の品である
今の時期だけの子持ち鮎の甘露煮と
塩焼きがその後に出て来て
「子持ち鮎、見た目もししゃもの
卵みたいな卵だけど、味も
ししゃもの卵だってかねこさんが言ってたね」
「シシャモの卵の詰まった、鮎か…」
そう杏寿郎が子持ち鮎に箸を入れると
割った場所から黄色いししゃもの卵に似た
卵がパンパンの腹の中から姿を覗かせる
「卵のボリュームだと、
普通のししゃも3匹分はありそうだね」
「尺山女魚も美味いな」
「マスだから、脂の無い鮭
みたいなイメージだけどね。
海水域で獲れるか、淡水域で獲れるかが
日本での鮭とマスの違いだけどね」
育つ前の山女魚も美味いが
こうして尺山女魚になったのもまた
山女魚の時とは違う味わいがあるな
そんな話をしながら
尺山女魚と子持ち鮎を頂いていると
先程釣り上げた山女魚の刺身が出て来て
前の中条市に来た時に
みくりが俺に食べさせたいからと
ここに連れて来て山女魚の刺身を食べたが
癖も臭みもない上品な脂のある
美味い刺身だったのを憶えていて
先程釣り上げた山女魚だと思うと
更に美味く感じるのは
自分が釣った補正が掛かるからだろうな
「美味しいね、山女魚のお刺身」
「ああ、そうだな。美味いッ。
前にも食べたが、自分で
釣った山女魚だと思うと更に美味いな!」
「そうだね、収穫体験とかしたら
苦手な野菜も食べられるし、
美味しいって感じるのと同じ理屈じゃない?」
「ホラよ、これが黄金のイクラな」
小さめの丼に黄金のイクラの
黄金のイクラ丼を持留が運んで来て
「おおっ、凄いっ。本当に黄色いんだね」
尺山女魚の卵である黄金のイクラの
醤油漬けがたっぷりと掛かって居る
木製の匙をその丼に添えられて
豪快にその匙の上に
米と黄金のイクラを山盛りにする
「今しか、食えないからな!さぁ食ってくれ」
持留と杏寿郎の視線を感じて
「え?杏寿郎、食べないの?」