第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
もぐもぐと枝豆を
しばらく無言で食べていた杏寿郎が
「ああ、食べて納得した。これは美味い。
わざわざ渋滞に巻き込まれてでも、
遠方から来てまで食べたい味だな。
それだけの価値はあるな」
「冷えても美味しいけどね、
茹でたても格別だからさ。
塩加減と茹で時間もさ、やっぱり
今までで茹でて来た枝豆の数が違うし」
「それは、私の枝豆の加減が
最高って事かい?やだねぇもう
そんな本当のこと言っちゃって。
はい、お茶のお代わり淹れるわねぇ~」
杏寿郎がその言葉に
自分の湯飲みを空にして
その湯飲みに祖母が新しい
お茶を注いで満たした
「すいません、ありがとうございます」
「ねぇ、慎ちゃん。
そろそろ七輪良さそうな感じ?
椎茸、焼けそう?ちょっと
あっちで椎茸焼ける用意して来るね。
杏寿郎は枝豆祭りして置いて」
みくりが先程取った椎茸を
台所に持っていくと
洗って石づきを落として
焼ける様にして戻って来る
「この後は、持留のトコ行くんだろう?」
「うん、噂の黄金のイクラと
子持ち鮎食べに行くつもりだよ?
でもまだ早いし、お腹空かせたいから
ちょっと、寄り道してから持留の
おじちゃん所には行くけど」
そうなんだよな つい
美味すぎて 枝豆を食べ過ぎてしまったが
本来の目的はそっちのハズ
こんな時間に美味い物ばかり食べて居たら
折角の美味い物も霞んでしまうだろうしな
みくりは椎茸を食べるつもりで
七輪の上にそれを並べ始めて
「だったら、家の芋、焼いといてやろうか?
どうせ出したからな、七輪、ついでだ」
「やったぁ、嬉しい。
ありがとうじいちゃん。
杏寿郎がお芋好きだから、
じいちゃんの焼いた
つぼ焼きの焼き芋、喜んでくれるよ~」
そう言ってつぼ焼きの焼き芋と
みくりが祖父の焼き芋を絶賛するので
「それは、普通のと違うんですか?」
「石焼きとか、落ち葉で焼く
焼き芋と違って、壺の中で
ワイヤーで吊るした?浮かせた?
みたいにして、返しながら
じっくり時間を掛けて焼く焼き芋だよ」
普通の焼き方だと1時間ほどで焼けるが
そのつぼ焼きの焼き芋は
焼き上がるのに2~3時間掛かると言って来て
「すいません、お手間をお掛けしまして」
「火、起したついでだからな。
枝豆の掃除しながら、芋見てりゃいい」
「ありがとうざいます」