第78章 ピックアップ御礼 秋と言えば…? お相手:煉獄さん現代パロ
自分が話してるのにと言いたげに
辰巳が話に入って来た慎司に
ちらっと鋭い視線を向けると
二ッと笑って慎司が
ノンノンと立てた人差し指を左右に振ると
「感電してる人、見たら、
ドロップキック!一択じゃん。
それだけ、知ってればいいの」
「まぁ、電源あるから、
切ればいいこっちじゃ」
もう みくりの祖父も
慎司君のこの性格は知ってるので
それでいいなと思ったんだろうなきっと
柵を恐る恐る超えてその栗のエリアに入ると
地面にはゴロゴロとイガに
包まれた栗が落ちている
「杏寿郎は、栗、拾った事ある?」
「それこそ、昔幼稚園の遠足でな。
それにしても、売ってもいい位の
立派な栗だな。この栗」
イガから外に出てる栗を一粒
杏寿郎が拾い上げると
立派で艶のある上等な栗なのは
見た目からしても分る
「三条大栗って言うんだよ。この辺の栗」
そう言いながら早速落ちてる栗を
慎司がトングで拾い集めて居て
「そうじゃ、上条、中条、下条の
3つの市で収穫できる栗を三条大栗と言ってな。
この辺りの土壌に栗は合うのか。
大きな栗になるからな、栗拾いをしてる
観光農園もこの辺りには昔からぽつぽつある」
あまりにも大きいから1つのイガに
3粒ほどしか栗は入ってないが
その代わり大人の男の手の上にも
3粒ほどしか乗らない様なサイズ感だ
「わしが若い頃は、
栗とミニトマトでやってたからな」
「うちの家にも、栗畑あったんだってさ。
昔は、桃もじいちゃんが子供の頃は
中条では盛んだったんだって。今は
桃農家は無くなって、
ミニトマトになっちゃったけどね」
そう残念そうに言いながらも
みくりも大きな栗をトングで
拾い上げて行く
「まぁ栗も、採ってすぐは美味くないからな」
「え、そうなんですか?」
この立派な栗と言うだけで
なんとも美味そうだが
採ってすぐは美味しくないと
そう祖父が言って来て
「そうだよ、大栗は熟成させないと。
低温で2週間、冷蔵庫のチルドルームで
栗は甘さが増すからね~。栗は
冷凍しても風味が落ちないから
半年ぐらいまでは美味しいよ?
おばあちゃんがね、今日来るって言ったから。
渋皮煮にしてくれてるんだってさ」
楽しみ~とみくりが言いながら
栗を次々に拾い上げて居て
栗の渋皮煮と言えば
手間暇がかかるイメージだが