第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
ペースセッター型のリーダーは
難易度の高い目標をチームの
ペースメーカーとなって引っ張る事が
出来る能力のあるリーダーだが
確かに伊黒の周囲の左右されずに
自分のペースで
質の高い仕事が出来る能力は
ペースセッター型のリーダーの資質なのだが
「伊黒君、だったかな?
君のチームに相応しい優秀な能力を持つ、
人材を集める方が、苦労しそうな気もするね。
そっちの彼は、しっかりとした直属の
上司をこっちが用意すれば、
かなりいい仕事をしてくれそうだね。
流石、杏寿郎君のお友達なだけはあるよ。
どうだい?杏寿郎君、皆纏めて
うちの会社で面倒見させてくれないかい?」
「俺は、具体的な条件と勤務地による。
甘露寺と離れるのは、ごめん被るからな」
そう淡々としたいつもの口調で
伊黒がヘッドハンティングの話の
詳細を尋ねて居て
「ハハハッ、確かに伊黒から
甘露寺を取り上げたら、死ぬからなァ。
俺は、アイツの為にも中央でなくても、
九州勤務でもいいぜェ」
そう言えば 不死川の例の
グリッドガールの彼女の実家は
九州の方だったか
「じゃあ、後になってしまったが
僕の名刺を渡して置こうかな?
その辺の細かい話を、したいけど。
折角のお酒の席だからね、愉しまなくちゃね」
そう言って成瀬が自分の名刺を
木崎と伊黒と不死川に渡して
月城の方にもスッと名刺を差し出した
「君が、九州に拘る理由は…何となく
僕にも分かるんだけどね?」
成瀬の言葉に杏寿郎がハッとした
そうか九州には外国からの船が多く入港する
彼等が海外からの貨物船で
日本に来たのだったら
一番最初に降り立ったのは九州だったのか
恐らくに彼等兄妹にとっては
一番苦労した時期を過ごした土地が
この九州だったんだな
「家族との思い出が多い土地ですので…」
「そう、なら丁度良かった。
僕も仕事のエリアを最近は関西から
広げて行って居てね?ちょっと前に
静岡の浜名湖にも、新しいグランピング場を
オープンさせたんだがね?九州にも
僕の手を広げたいと思ってるんだよ」
そう成瀬さんは月城さんに話をしているが
彼の妹である彼女の事も
彼としては気になるのかも知れない
「何か、困ったことがあったら
いつでも頼ってくれると、嬉しいかな?
奏君の代りまでは出来なくても、
君のお兄さんを僕にさせてくれると助かるよ」