第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
杏寿郎が鯖の刺身を
2切れ一度に箸で摘まんで食べると
「鯖って、あんまり
刺身で食べるイメージがないですけど
美味いもんですね、鯖の刺身も」
「そうだね、鯖は鮮度が命だからね
こうして刺身で食べられるのは、
九州だけだよ。まぁ、彼女は
鯖は苦手だって言ってるけど。
こっち来て、これ食べたら
鯖美味しいってなるんじゃないかな?」
「その話なのですが、月城奏の妹さんに
彼女を会わせてやりたいと思ってまして」
「念の為だけど、冨岡君には
しばらくの間こっちに来て貰って。
雅君の事を見ててもらうつもりにしてるんだよ。
河田の件についても、僕の中では
河田克己だけでなくて、父と祖父も
一緒にあっちに送ったから。
もう、大丈夫だとは信じてるんだけどね?
ああ、まぁ彼の祖父の件に関しては
彼のやり方が気に入らないって言う
ある政府の官僚もお手伝いをしてくれたからね?」
政治家同士なんて派閥派閥なんだから
河田の祖父が国会議員になる為に
使った汚い手が表にならないのを
心良く思ってない国会議員は
何人も居てもおかしくはないだろう
成瀬さんはその為にも
河田の一族ごと警察送りにしたくて
この機会を狙って動いたんだろうが
河田だけを送ったとしても
裏で父と祖父にもみ消されても困るからな
その為の証拠集めにこれだけの
時間を掛けていたんだろうな
「だから、お金の心配なら
大丈夫だよって話をしたかったんだ。
みくりちゃんのお陰で、割と
僕の仕事は順調に行ってるからね」
そう言って成瀬は顔こそは笑ってるが
俺からすればこの件の恩を感じてるんだったら
将来自分達の家を建てるのなら
中条市に家を建てろと言う意味なんだろうが
ん?待てよ?もしかして…
ある事に気が付いて
成瀬の方を見ると
今度は満面の笑みを浮かべて
杏寿郎の事を見ていて
「あの、もしかして…なんですが、
中条市に家をって言う話は…」
「今の条件の1.5倍でも出すよ?
もっとがご希望かな?
僕が持ってる土地で良かったら。
その土地にお家を建てて、土地ごと
プレゼントしてもいいんだよ?杏寿郎君。
だって、君がうんって言ってくれたらさ。
みくりちゃんも一緒に
中条市に戻って来てくれるでしょ?」
その成瀬の言葉を聞いて思わず
ズルッと杏寿郎が脱力してしまって
「か、考えておきます…」