第19章 惣菜屋さんと煉獄さん 前編 お相手:煉獄杏寿郎
その朝顔の柄もあまり大柄過ぎず
色見も青系で統一されていて
地味過ぎず
それでいて華美過ぎる事もなく
これなら 26の私が着ても……
違和感もなさそうな柄だった
「可愛い……、ありがとう。トキ叔母さん」
「その代わり……、後で聞かせなよ?」
トキの言葉にみくりが目を丸くさせて
「え?聞かせるって?何を…」
「そんなの勿論、煉獄の坊ちゃんと
どうなったかに決まってんだろ?
別に、かまととぶる様な歳でもないだろ?」
トキの言葉にみくりがムッと
口を尖らせると
「べ、別に…
かまととぶったりなんて…、してないし」
「いいじゃないのさ、歳の差なんて……」
いつものおちゃらけた様な
口調ではなくて
静かにそうトキが
何かを思い返すように言って
「トキ……叔母さん?」
「私も、…言われたもんさ」
その言葉にみくりがハッとする
そうだった
トキ叔母さんのご主人…
トキ叔母さんよりも 3つ年下だった
でも 私は3つ所じゃなくて
6つなんだけども
「最初はね。けども、それも最初だけさ。
10年、15年すりゃあさ。
どうでもいい事になっさ、歳取っちまったら、
5つや6つの歳の差なんて
どうでもいいくなるもんだよ」
「うん、……ありがとう。トキ叔母さん」
私が 彼との年齢差を気にしてるって
そう知ってるから
トキさんはそう言ってくれてるんだって
それは 痛いほど良くわかるから
嬉しいって その気持ちが嬉しいって感じて
「ああ、もう、そんな顔するんじゃないって。
確かにアンタが心配して、
尻込みすんのも仕方ないよ?
だって、あっちは良家の坊ちゃんだしね。
けど……アンタは自分を、そんな風に
恥じるんじゃないよ。アンタの事をずっと、
私しゃ、知ってるんだ。
アンタが……いい子だって、知ってる」
そう言ってトキの手が
ポンとみくりの頭に乗せられて
よしよしと撫でられる