第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「おかしい…?」
「だから、奏君が、僕に
みくりちゃんを頼むよって言われて。
冨岡君みたいな、ちょっと特殊なプロに、
彼女の事をお願いしてたんだよ?」
おかしい と成瀬さんが言うのは
頷ける
おかしい そうおかしいのだ
奏さんが行方不明になった後
みくりは篠田と
付き合う事になってたんだから
それも 奏さんの事が
忘れられないと言っていた
みくりを付き合わせてたのだから
篠田が何かを みくりに吹き込んで
それに応じさせたと考えるのが妥当だ
「みくりちゃんを奏君が助けたから、
篠田は、みくりちゃんを
自分のサークルに引き入れられない状態が
かなり長い期間あったんだよ。
みくりちゃんは、バーベキューには
奏君に参加するなって言われるまでは、
断われない方だから行ってたらしいから。
飲酒をする二次会には行かなかったから、
知らなかっただけだからね?」
「いや、俺も大学のバーベキューは
高校時代の同級生に言われて、
ずっと参加してたので。普通の
わいわい楽しくバーベキューするだけの
イベントなのは俺も知ってますよ」
俺だって あの大学での
バーベキューにはずっと参加してたんだ
そんな事があったとも知らずに
それに 二次会の存在なんて
全然知らなかったしな 俺も
「篠田が河田に会うまでは…、
その二次会っだって普通の二次会
だったんだよ?僕の知る所ではね?」
「だったら、元々篠田のサークルは
普通にって言い方もおかしいが
飲酒して楽しむ、ヤリサーなだけだったと?」
グイっと知らない間に
注文していた焼酎を飲みながら
成瀬が山盛りのキャビアを
カナッペの上に乗せて行くと
「どう?杏寿郎君も食べる?
キャビアマシマシのやつ。
そうそう、割とどこにでもある
普通のヤリサーだったんだよ。
でも、出会ってしまったんだ。
篠田と河田がね?
河田が篠田に持ち掛けたのは、
どうせやるんだったらついでに
お金稼がないって、ビジネスの話と」
「月城…奏に、一緒に
復讐…しないかって話…ですか?」
はい どーぞと
キャビアが零れそうなカナッペを
成瀬の手から杏寿郎が受け取る
「利害は一致するでしょう?」
月城奏はその時はもう
日本には居なかったのだから…
その復讐の矛先は当然に