第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そうバーテンダーが
こちらを退屈させない様になのか
話題を振って来てくれて
「ああ、じゃあ、それもお願いしよう」
そう杏寿郎が言うと
『ギムレットのカクテルには、
さまざまなエピソードがあると言われて居てね。
その名前の由来にも所説あるにはあるが。
ギムレットが誕生したのは19世紀の後半、
イギリス海軍の軍医であった
ギムレット卿の名前から生まれたと
言われて居るんだよ?』
そう ギムレットについての説明が
バーテンダーが居る
バーカウンターではない方向から聞こえて来て
こちらに構う様子もなく
バーの入口から成瀬が
店内を移動しながら 更に話を続けて来る
「元々海軍では将校にはジンが。
船員にはラムの水割りが飲まれていたんだ。
しかし軍医であるギムレットは、
健康のためにジンをライムジュースで
薄めて飲むのをすすめたことが始まりで、
それがギムレットの元になったって話。
今晩は、杏寿郎君。待たせたかな?」
『いらっしゃいませ、成瀬様』
「いらっしゃいました。いつもの
個室は空いてる?飲み物も
食べ物も適当にって頼んでるんだけど?」
別のスタッフが 店の奥にある
個室のドアの前に移動して居て
「成瀬様、こちらの方へどうぞ」
「ごめんね?じゃあ、奥行こうか?
流石に誰も居ないとは言え、
ここじゃあ、気が引けるでしょ?」
そうは彼は言ってるけど
まだ酒を飲むには早い時間だが
それにしても誰も居なさすぎる
平日である事を考えても
数人位は居てもいい気がする
杏寿郎の頭は ある考えに行きついていて
個室がって言ってるけど
店毎 貸し切りにしたんだなと
「九州と言えば、焼酎の
イメージが強いけど、
日本酒も美味いんだよ?
特に福岡の日本酒は旨みとキレがいい。
で、杏寿郎君は、何にする?」
はぁと杏寿郎がため息をつくと
「分かりましたよ、
福岡のオススメ頂きますので」
「そうそう、そう来なくっちゃ」
適当にと頼んでいたと言うだけあって
個室のテーブルの上には
馬刺しの盛り合わせに鯖の刺身
明太子の入った玉子焼き
地元の和牛の握り等が並べられて行く
グラスに入った冷酒が届いて
「んじゃ、乾杯」
「はい、乾杯」
チンとグラスを合わせて
その中の冷酒を口に含む
「…っ、驚いた、確かに、美味い。
香りもいいし、キレもある」