第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「なら、俺が言いたい事位
馬鹿なお前でも分かるんじゃねぇの?
言って置くが、お前に拒否権なんてねぇし?」
「…そ、それ…は」
「全部、知ってたもんな、お前は。
みくりが、
伊藤明日香と仲が良かったって事も。
その、伊藤明日香が、
煉獄に気があったって事も。煉獄と伊藤と
同じ高校だったもんな、知ってるよな?」
グイっと手に持っている
ボトルを口に付けて
大きく傾けるとその中のワインの
残りを一気に宇髄が飲み干してしまって
コトン とテーブルの上に
空になったボトルを置いた
「はっ、初恋…の、相手だったんだ…ッ」
「お前、馬鹿だろ?
俺は、お前の話には興味ねぇの。
お前の話なんて、聞いたら、耳腐るわ。
俺がわざわざお前の為に、
日本に戻って来たのは。
黒瀬、お前の口から煉獄に話させるために
決まってんだろ?そのお前の”頭”は飾りな訳?
お前が、篠田のトコの”ブレン”だって事は
俺には調べがとっくについてるからな」
「……それは…ッ」
宇髄が黒瀬の耳に自分の口を近付ける
「ワイン、ごっそーさん。
お前は頂けねぇが。ワイン、美味かったわ」
そう今度は さっきまでの
圧などない 普通の口調で
黒瀬に用意したワインの礼を言うと
「廻し逃れ姫…、ノー・ナンバー・プリンセス。
なぁ、黒瀬、お前がさ、アイツに特例を
使った理由は、言われなくても知ってんの。
お前はさ、キングでもジャックでも無くてさ。
どうして、ナイトにならなかった訳?」
黒瀬の耳元から宇髄が口を離して
そのまま立ち上がると
個室のドアの方へと歩いて行く
「明日」
ドアの前で宇髄がその足を止めて
黒瀬からの返事を待たずに続ける
「明日、煉獄が
博多で成瀬さんと会うんだわ」
それだけ 宇髄が言い残すと
そのままドアの外へ出て行ってしまった
ーー
ーー
ーー
2日目の研修は普通に終わって
いや 普通に終わるのが普通なんだが
今 何故だか
俺と不死川と伊黒と木崎先輩
そしてそれから 博多の壇蜜こと
月城雅の姿があって
俺の友人なら大丈夫だと言って
今日は 彼女のオススメの
水炊きのお店に連れて来て貰った
今は大きな鍋では無くて
コロナの対策で一人鍋で
本格的な水炊きが味わえるらしい
楽しそうに他の連中とも話してる
月城の姿を見て居ると