第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そうみくりが
杏寿郎に尋ねて来て
「俺は、大丈夫だが。
その、君の方は大丈夫なのか?」
『ああ、さっき朝食の前に
看護師さんが来て、採血して行ったよ?
後、検尿もまたするって言われてしたから。
結果が出て、何も無かったら
午後には退院して帰っていいって』
そう言って話をして来る
みくりの口調は元気そうだったので
ホッとしてしまった
『ねぇねぇ、杏寿郎、昨日のあれをね。
ボイスメモじゃなくて、言って欲しいなって。
だって、あれは、リアルタイムじゃないもんッ
まぁ、聞きたい時にまた聞けるけどさ』
「削除するか」
『やっ、意地悪ッ。置いといてよ~
毎日寝る前にあれ、再生するからぁ~』
昨日のおやすみの
ボイスメモを削除すると言うと
毎日寝る前にあのメモを
再生して聞くからと
みくりが言って来て
「昨日は、それを直接言えなかったが。
今夜からは、直接電話で言うから。
それじゃダメか?みくり」
『毎日、寝る前に言ってくれる?
おやすみと大好きって言ってくれるの?』
「俺から言うって事は、
君からも言ってくれるんだろう?」
『まぁ、それは言わなくも…ないけど…ッ』
ピッピ ピッピ…ッ
電話の向こうから
緊急速報のテロップの音が流れて
「ん?何だ速報か?」
『うーん、何か良くわからないけど
河田なんとかって、国会議員の人が、
暴力団に多額の支援をして、当選の便宜を
はかって貰ってたからって逮捕されたらしいよ?』
そう興味が無さそうにして
みくりがテレビの速報の
テロップの内容を読み上げて来て
ギィっとドアが開いて
木崎が濡れた頭をバスタオルで
擦りながらこちらへと出て来て
「あ、悪い、邪魔しちゃった?」
そう言いながら自分の
スマートフォンを手に取ると
じっとその画面を見ていて
「ん?あれ、これ
スマホの、ニュースの速報。
逮捕されちゃってるじゃん。
これ、河田のお祖父さんだよ。
あ~、これで、河田のやつも会社の中で
大きい顔できなくなるかもなぁ」
「先輩、それはどう言う事なんですか?」
「ああ、気になるよな?
あ、先に言っとくけど、あくまで噂だからな?
河田の親父さんが、会社役員になれたのも。
この河田のお祖父さんが、うちの会社の
上の方に色々言って来てたからって噂」