第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そうだ… ボイスメモ…
再生しなくちゃ
もぞもぞ布団を頭から被ると
音量を最小にして
耳を寄せると 杏寿郎からの
ボイスメモを再生する
”『……みくり、
今日は疲れただろう?
俺がついてるから、
そのまま…安心して眠っていいぞ…?
おやすみ、俺の可愛い奥さん』”
「杏寿郎…っ、ん…、おやすみ…」
ウトウトと意識がまどろんで来た頃に
”『大好きだ』”
そう言われた様な そんな気がして
気のせいだったかも知れないけど
そのまま 眠りに落ちて行った
ーーー
ーー
ー
「木崎先輩、起きて下さい。
先輩そのまま寝ちゃったんだから、
今日も研修あるんだし、
起きて、シャワーして下さいよ」
「んぁ、朝?って朝ッ?
ええっ、俺あの後寝ちゃってたの?
煉獄大丈夫?浮気とかしてない?」
「いや、しっかりして下さいよ先輩。
酔っぱらって寝てる貴方が
ここに帰って来れてるんだから。
何かあったか無かったか位は
先輩にだってわかるでしょ?」
そう呆れながら杏寿郎が
木崎に言って来て
先輩がシャワーを浴びる時間がある位には
時間に余裕をもって起こしたが
シャワールームからは
シャワーを使ってる音がして来て
ベッドの上のスマートフォンが
着信を知らせて来て
みくりが電話をして来てくれた様だ
「みくり、起きたのか?
あの後は寝れたか?あ、あの…あれはだな」
起きてからまた あのボイスメモを
再生したらしく 最後の大好きを
また聞かれてしまって居た様で
『杏寿郎は、朝ご飯食べたの?
って言うかどこのホテルなの?
博多の支社の近く?それとも博多駅の近く?』
「ああ、確か、朝食にステーキがな」
電話の向こうでみくりが
大きな声でここのホテルの名前を言って来て
『朝からステーキって、あそこでしょ?
朝食美味しいって、口コミサイトで
有名なホテルじゃん、いいなぁ~。
テレビのあるホールでもね、
通話してもいいらしいんだけどね。
今は、朝ご飯の時間なんだけどね?
コロナの影響なのか、誰も居なくてね?
大きなテレビ、一人で観てる』
病院の朝ご飯のパンが
トーストされてないと
不満そうに言ってるのを聞いてると
みくりらしいと思ってしまうな
『ねぇねぇ、杏寿郎、今は大丈夫?』