第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
何となくにだけど…
杏寿郎に心配かけてもなぁって思うし
当たり障りがない感じにLINEをして置いた
河田さんに会員制のクラブの
個室に連れ込まれて
奏さんの件で
河田さんの恨みを買ってたみたいだから
無理やり 怪しげな
薬を打たれそうになりましたとは
流石に言えないよねぇ…とは思うけど
思ったほどに河田からは
聞きたかった事は聞けなかった感じだし
嫌な思いしたわりに 割に合わない気がする
ふと顔を上げると
病室の壁に貼ってある
張り紙が目に入って
携帯電話の使用の注意点が書いてあったが
病室では通話は出来ないが
テレビが置いてあるラウンジと
エレベーターホールでは
通話も可能と書いてあって
こそっとスマートフォンを持って
ベッドを抜け出すと
エレベーターホールの方へと向かって
エレベーターホールに置かれている
長椅子に腰を下ろした
杏寿郎に電話を掛けると
すぐに杏寿郎が電話に出て
『どうした?何かあったのか?
通話はできないんじゃなかったのか?』
「いや、部屋に張り紙がしてあってさ。
病室では出来ないけど、ここなら
してもいいって書いてあったから
ちょっと薄暗いから気持ち悪いけど。
お化け出そうな感じで」
『今は、どこに居るんだ?』
「エレベーターホール、時々
エレベーターから音がするし、
消灯時間過ぎてるから、暗いけど。
杏寿郎は?楽しかったの?
博多の壇蜜さんと飲んでたんでしょ?」
『彼女は、君が大学時代に交際してた
月城奏さんの、妹さんだったんだ』
「妹…ねぇ、あ、ああ、聞いた事ある。
確か…、雅って名前だったっけ?
奏さんの妹さん、ってそうなんだ。
ねぇ、杏寿郎、何か言って?」
『その話の詳細をって事か?』
「んー?それはいいかな~。
色々ありすぎた感じだし?
ふぁ…あ、杏寿郎の声、聞いてたら、
安心して、寝れそうな気がするから」
そのまま 研修で聞いた内容を
みくりに説明すると
みくりからの返事が途切れ途切れになるから
『そろそろ、君も。
ベッドに戻った方が良さそうだな。
LINEにボイスメモを送るから、
それを看護師さんにバレない様に
布団にもぐって聞くといい』
もうその頃には 眠たくなって来ていたから
通話を終了すると ふらふらした足取りで
自分のベッドまで戻って布団に潜り込む