第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
どうにも落ち着かなくて
備え付けの冷蔵庫から
サービスで入れられている
ペットボトルの水を取り出すと
封を開けて
その中身を流し込む
スマートフォンのスピーカーからは
呼び出し音がずっと聞こえたままだ
どうにも 気持ちが落ち着きそうになくて
「シャワーでも、浴びるか…」
その間も 戸を開いたままにして
呼び出したままのスマートフォンは
防水のやつだから浴槽の縁に置いて置いた
ザァアアアッ…
シャワーの音にあの呼び出し音は
かき消させるが カウントはしてないので
みくりが通話に応じてないのは
目で見れば分かる事だ
ゴシゴシとシャンプーを泡立てて居て
『…杏寿郎?おーい、杏寿郎?』
一瞬 聞き間違えたのかと思ったが
みくりの声が聞こえて来て
泡が付くのも構わずに
スマートフォンを手に取ると
「大丈夫か?みくり。
どうなんだ?怪我は無いか?
今は家か?どこに居るんだ?
河田は?河田とはどうなったんだ?」
聞きたい事が多すぎて
質問ばかりを並べてしまって
『もう、心配し過ぎだよ。
うん、私は、大丈夫だよ?
杏寿郎、質問ばっかり、何ともないよ?』
電話の向こう側から無線のやり取りが
聞こえて来るので家ではないのが分かって
「何処に居るんだ?タクシーなのか?」
『今?今はねぇ。パトカーの中だよ?
念の為、入院してって警察の人に
言われたからね?明日は休む事にしたんだ。
河田さんは知らない、警察の人に
連れていかれちゃったよ?あ、
こんな時間だし、病院だから、
連絡は電話はダメだからね?LINEにして?』
そう言って通話が切れてしまって
無事が確認できたまでは良かったが
肝心な事がわからないままだな
LINEでいいから何があったのか
説明をして欲しいと
みくりに送ると
”河田さんが麻薬???
持ってたから捕まったみたい”
自分は今日は念の為検査して
経過観察に入院すると言う事らしいが
尿検査と採血を受けたと
採血の後の腕の画像が送られて来たが
”どうして、入院するんだ?”
そうLINEを送ると
”河田さんに何かに混ぜて
お薬飲まされてるかもだから?”
”それは、大丈夫なのか?”
”うん 警察の人にサンドイッチ貰ったから。
アンパンじゃないんだね。アンパンより
こっちの方がいいけど”