第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
バー――ンと勢い良く
部屋のドアが開くと
数人の警察官がどっと中に押し寄せて来て
あっという間に河田の
持っていた鞄の中から
さっきの注射器と同じ物を取り出して
後ろから遅れて来た
年配の私服の人にそれを渡して
その私服の年配の人が
その注射器の中の液体を調べている様で
『大丈夫でしたか?こちらの男に
何か飲まされたり、注射されたりとかは…』
床の上に転がっている
さっきの注射器を
みくりが指差して
「あれを刺されそうになったので、
鞄を振り回して抵抗していました」
その後は 沢山の人が
色々な場所を調べて居て
参考人聴取をさせて欲しいと言われて
色々とひとしきりの事を聞かれた後に
念の為 自分の意思でなくても
飲食した物の中に
使用されている恐れがあるからと
観察入院をして下さいと言われて
指定された医療機関に入院する様に言われて
今は私は その医療機関に
入院するからとパトカーで送って貰ってる
「あの、今から入院しても
食事とかって出ませんよね?やっぱり」
気が抜けたらお腹が空いて来たので
そう恐る恐る尋ねてみたら
コンビニでお茶とサンドイッチを
買って来てくれて
手渡して来てくれたので
流石にパトカーの中で
飲食する訳には行かないから
病院についたら食べる事にして
「あの、職場の上司に
明日休みたいと連絡してもいいですか?」
切ったままになって居た
自分のスマートフォンを起動すると
上司にLINEを送ろうとしたら
杏寿郎から電話が掛かって来て
「あの、主人と電話とかって…」
「ご主人からですか?どうぞ」
ーー
ーー
ーー
木崎先輩はすっかり潰れてしまったので
仕方なくホテルまで
タクシーを拾って帰る事にした
タクシーに乗り込んで
みくりに電話を掛けるが
まだ電源は入ってないままの様だ
そんな事を繰り返している内に
ホテルについてしまって
半分引きずりながら木崎をベッドに寝かせると
自分のスーツのネクタイを緩めて
ジャケットを脱いでハンガーに
乱雑に掛けた
さっきからはスピーカーに切り替えて
呼び出したままにしているが
まだ あっちが電話に出る感じはなくて
時間を見ると23時を回っていた
みくり…せめて声を聞いて
無事だけでも確認が取れたら…いいんだが