第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そう言いにくそうにして
月城が奏のしていた仕事について
杏寿郎に話をして来て
「女性に対して、性的に奉仕をして
その、金銭を貰う様な…感じの。
男性は、女性の様には行かないの…で。
兄は、特定の恋人と言うのは仕事に
差し障りが出るといけないからと…。
内容な内容ですが、その仕事も
仕事だからと言っておりましたので」
「成程、奏さんにとっても
彼女は特別な存在であったと…?
彼女にとっても、他の男性が
あり得ないぐらいには、彼は特別だと
俺は言われ続けてましたから。
正直、騙されて居てくれた方が良かったと
俺も男だから、思いたくもなる」
そう杏寿郎が困った様な顔をして
微笑を浮かべていたので
「すいません…、煉獄さん。
要らぬ話までしてしまい」
「いえ、貴方のお兄さんが
みくりを守りたいと思って。
そうしたのだろうと言うのも、
想像が出来ましたから。恐らくに彼は
日本を離れる前に成瀬さんに、
みくりの保護を依頼してるでしょうから」
冨岡の保護対象と言う言葉と
今の月城さんの話からすれば
冨岡は普通の興信所と呼ばれる
浮気調査をする様な機関の人間ではなく
もっと 専門の訓練を受けた
特殊な業界の人間だろうな
何者なのかは 謎の存在だが
今は冨岡に頼るしかないのは事実だ
ーー
ーー
ーー
「それにしても、困りましたね。
辛うじて、みくりさんの
持っている盗聴器で音声は拾えますが」
会員制のクラブには
自分達は入る事が出来ないで居て
「もう、全員で正面から
突入してしまいますか?」
「それにしても、見ましたか?
さっきのあの河田の顔ッ!
もう、怒りました。許せません」
店に入る時の河田の顔を
思い出してしのぶが不快感を露わにする
「で、しのぶ。どうする?」
伊之助がしのぶからの
指示を待っている様で
「念の為に警察を、
呼んでもいいかも知れませんね。
みくりさんに何かがあってしまっては、
私もああ言ってしまった手前
煉獄さんに顔向けが、……あら?」
「ねぇ、ちょっと、しのぶさん、
これっ、どう言う事?警察、もう呼んでたの?」
善逸がそうしのぶに確認を取って来るが
まだ警察には相談すらしていない
それなのに この建物の周囲に
パトカーがサイレンを鳴らさずに
数台集まって来るのが見えて