第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「月城と言う苗字は珍しいから、
お前にも何かある可能性があるからと。
それで、私は、本社のある中央から。
九州に引っ越しをしまして、
兄の方は、月城の姓を変えてもいいからと」
「月城さん。形や方法はどうであれ、
妹思いのいいお兄さんだ。
彼女が貴方のお兄さんに惹かれた理由が
分った様な、気がします」
奏さんが 月城さんに
その名前を捨てる様にと言った意味と
月城さんが それを拒みたい理由も
自分も兄なだけに 痛いほど分るからな
「兄さんが、日本を出てから。
一度だけ、手紙が届きまして。偽名でしたが。
奏兄さんが…、そのタレコミをしたのを
快く思ってない人物の名前…なのですが」
ふぅ…と杏寿郎がため息をついて
この一件は一件ではないな
インカレサークルでの方の
合成麻薬に関連する事件と
神南大での篠田の事件は
関連はあれども別件と見た方が良さそうだ
恐らく…にだが
成瀬さんが俺に話したい話は
篠田大気の関連する
神南大での篠田のサークルの事件で
月城さんが話してる
月城奏が関連しているのは
インカレサークルでの
関西圏の複数の大学が関与する
大掛かりな組織的な犯罪の方だ
だが そっちのインカレサークルは
恐らくに宇髄先輩が篠田と一緒に居た
例のサークルなのだろうが…
主犯となる事件の真相を知る人物は別にいる…
余り 正解であって欲しく無いが
月城と言う苗字の珍しさと…
月城奏との関連が安易に想像できる
月城 雅…
そして 彼女に
しつこく言い寄っていたある男の存在
「元々は京都支社の…、河田克己と言う男で
その話は間違いは、無いでしょうか?」
杏寿郎の問いに
静かに月城が頷く
「だとしたら、妻が危険だ。
恐らくに、その男の、河田克己の目的は…」
♪~♪~ ♪~
自分のポケットの中の
スマートフォンから着信音がして
ディスプレイには
”冨岡義勇”の名前が表示されていた
まるで 冨岡が今の会話を
聞いて居たのかと言いたくなる様な
そんなタイミングだな
「どうした?冨岡ッ、こんな時に」
『煉獄、礼を言う。
今までの話は全て聞かせて貰った。
盗聴器はお前じゃなくて、寝てる方だ。
みくりと、河田の事は、俺に任せろと
言ったのを忘れたか?保護対象だ』
俺の不安を読んだ様にして
冨岡がそう言って来るから