第77章 ふたり 一人独り 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
その薬物の流通の経路は
インカレサークルを通じて
広がっていたのか…
「ある…合成麻薬…なのですが、
私も名前までは…知らなくて。
でも、その薬物の流通だけでなくて…。
その薬物を乱用して、別のシノギをしてると」
「何?これ、現実?ドラマじゃない?
そんな漫画とか映画みたいな話…さぁ」
月城の話が受け入れられないのは
普通の世界に生きてる人間の
当然の反応だろうな
関西圏の大学の集まる
大きなインカレサークルから始まって
それがそれぞれの大学に散ったのか
随分と大掛かりなシノギだな…
「阪大での事件は表に出てますが。
恐らく、他の大学でも同様の事があったかと」
「神南大でも?」
その大学の名前を聞いて
月城が僅かに反応を見せた
「でもさ、知り過ぎじゃな~い?
お兄ちゃんさぁ、情報漏らし過ぎ事件」
木崎はそんなに酒には強くないので
既に酔いが回ってる様で
思ったままの事を言ってしまって居る様だった
「木崎先輩ッ、飲み過ぎですから…
そろそろ、帰りましょう」
「らいじょーぶ、まだ飲めるぅ~」
とそのまま机に伏せて
ぐぅぐぅと眠ってしまったので
「ふふふっ、面白い方ですね。
そのまま寝かせてあげましょう。
目が醒めたら、酔いも醒めるでしょうし」
いや 多分空気読める先輩だから
話の邪魔にならない様に
寝る事にしたのかも知れないと
思わなくも無いが 酔っただけ…かもな
昨日も寝てたもんな
「煉獄さん。貴方が知りたいのは、
奏兄さんの生死ですか?」
「正直に話します、月城さん。
俺は彼とは面識がない、彼を
知ってるのは、俺の妻だ」
「みくりさん…ですか?」
一瞬 名前がその口から出て
思い切り動揺してしまった
いや 月城奏と交際してたのだから
名前ぐらいは知って居てもおかしくはない
「奏兄さんは、みくりさんの前から
ある日突然に、消えた…と?」
「そこまでご存じなら、十分だ。
やはり、彼は死んでなかったのですね」
彼女がそれを知ってる時点で
それを彼が彼女に言ったのであれば
その死その物が偽装だ
「その時点では、です。今の
奏兄さんが生きてるのか死んでるのかも
生きていたとして、どの名前を使ってるかも。
私には、分かりませんから。
ただ、私が知っている事は、
阪大のタレコミに足が付いたからと」