第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そうあの時の事を
代わりに話を杏寿郎にしようかと
河田がみくりに持ち掛けて来て
「それとも、黙ってて欲しい?
いつもは、この話したかったけど。
隣にご主人ベッタリだったしね。
ゆっくり、話したいなぁって」
「な…に、を…、言って…おられるのかッ」
「分からない?なら、分かる様に
言ってあげる、俺が言ってる意味…
知りたいんでしょ?」
河田がみくりの肩に腕を回して来て
グッと肩を引き寄せると耳元に口を近付けて
「だから、俺、知ってるの。
アンタが、”廻し逃れ”の”姫”だって事」
自分の身体から
河田のその言葉に
一気に血の気がその言葉で引いて
身体が震える
知ってる人がこんなに 近い所に居たんだって
今まで ずっと
この人はそれを知ってて
私にあんな風に言って来てた…の?
「ああ、驚いちゃった?
言葉も出て来ない?ははは、ごめんね?
ああ、そうそう、みくりちゃんは~。
それも只の姫じゃないでしょ?
”覚醒”済だって、聞いてるよ?」
どうして この人は
そんな事まで 知ってるの?
その言葉まで 知ってるのは
一部の人間だけで
その中にこの人は
居なかったのに?
「どうして…ッ」
「ああ、知りたい?それはねぇ…。
俺さぁ、大地(たいち)サンと
仲良いんだ~。ああ、勿論。
大地サンと仲がいいんだから、
アイツとも、顔見知りなんだ。
話、したいでしょ?俺と。
お店、予約しとくから。楽しみにしてる」
後でね?と囁いて
そのまま 別の女子社員の方へ
河田は移動して行って
それと入れ替わりに
カナヲと炭治郎がこちらに来て
遠くからしのぶがみくりの様子が
おかしいのに気が付いて
「みくりさん、顔色が優れません。
医務室へ行きましょう」
「炭治郎、私に任せて。
炭治郎は、我妻君と嘴平君と」
「わかった、カナヲ」
みくりをしのぶとカナヲが
医務室へと付き添って行って
炭治郎は善逸と伊之助の方へ近づいて行って
こっちはこっちで顔色が悪い善逸に声を掛けた
「オイ、紋逸、大丈夫か?
お前、顔色めっちゃ悪いぞ?」
「善逸、話せるか?」
炭治郎の言葉に善逸が首を左右に振って
「炭治郎。悪いけどッ。
ここじゃ、話せなさそうな感じ
けどッ、…アイツ、何な訳?」