第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
河田から距離を取ろうと
河田からみくりが1歩離れると
その分 河田が1歩距離を詰めて来て
「ねぇねぇ、旦那さんとは喧嘩でもしたの?」
「主人とは、喧嘩はしておりませんが?」
じっとこっちの顔を見ている
河田と目が合ってしまって
「でも、酷い旦那さんだなぁ~。
その目は、旦那さんの所為…なんでしょ?」
そう言ってこっちの耳元に
河田が口を近付けて来て
周囲に聞こえない様にして
みくりだけに聞こえる様に小声で
「(泣いてた…んじゃない?)」
「別に、泣いてませんから。
もし、私が泣いてたとしても、それは
河田さんには、関係ない話ですので。
すいませんが、退いて貰えますか?」
ここで感情的になって
大声で叫んで注目の的にはなりたくない
玄関ホールで河田が女子社員に絡んでいるのは
日常的な光景なので周囲も
そこまでは気にしてはいないのだが
これに未だに ホイホイと騙される
女子社員が居るのが 信じられない位だ
『ねぇ、炭治郎、あそこ、あれ…』
カナヲがグイグイと炭治郎の袖を引いて来て
炭治郎の注意を自分の方に向けさせると
じっと玄関ホールでやり取りをしている
河田とみくりの方をカナヲが見ていて
「炭治郎、あの人…ッ、前に」
「ああ、大丈夫だ。カナヲ。
すぐ後ろに、善逸と伊之助が居るから。
善逸の耳なら、会話も聞こえてるだろしな」
煉獄さんからLINEを貰って
河田さんが煉獄さんが
研修に行ってる間にみくりさんに
言い寄ったりしないか
気を付けて欲しいって言われたけど
色々と女子社員との噂が絶えない人だけど
こうも節操も無い感じなのか
同じ男として呆れる
「た、炭治郎。凄く、嫌な感じに
あの人が見えるの…、いつもと違って」
そう不安そうにカナヲが訴えかけて来る
でもカナヲの目にそう見えるなら
俺の鼻が嗅ぎ取ってる この不快な匂いにも
納得が出来る
「ねぇねぇ、みくりちゃん。
今日さ、飲みに行こうよ?良い店
知ってるんだ~。愚痴、聞くよ?俺」
「すいません、大丈夫ですので。
結構ですから…ッ、そこを」
「いいの?俺にそんな事言っても
どうせ、知らないんでしょ?あのご主人。
あの時の事、代わりに話してあげよっか?」
どうして この人が
あの時の事を 知ってるの?