第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
『違うの、杏寿郎が悪いんじゃない。
私が、話さなかったから。話せ…なかったから。
だって、話しちゃったら。杏寿郎と、一緒に…、
居られないんじゃないかって、怖くて』
そう 話す声が震えているから
もしかしたら 今…
みくりは泣いているのかも知れない
成瀬さんと会う前に
それを伝えるべきだとは思ったが
どうして俺は それを今のタイミングで
彼女に言ってしまったのかと
後悔すらも感じてしまって居て
実際の距離以上に 彼女が
みくりが俺から離れてしまう様な
「君が言うなら、彼と
会うのを、止めても良いんだ」
『…ーーーっ!?』
「みくり、
俺と夫婦になってくれないか?」
結婚して入籍してるのだから
私と杏寿郎は夫婦なのに
杏寿郎がそう言って来て
「君がそれを俺に知られたくないと
思ってるのは、理解してるつもりだ。
だが、俺はそれを君の口から語らせるのは
君に辛い思いをさせるだけなんだろうと
そう思ったんだ。だから、彼から
話を聞く事にした…、それ以上でも
それ以下でもない」
そう こっちに伝えて来る
杏寿郎の言葉は偽りのない言葉で
『杏寿郎が、決めていい…よ?』
「みくり。君は俺に言ってる事の
意味を理解して言ってるのか?
俺は夫婦になって欲しいと言ってるんだが?」
杏寿郎の言葉の意味を理解した気がする
それを聞いて
私と離婚したいと言うなら
私はそれを受け入れると
伝えたつもりだったのに…ッ
杏寿郎の言葉は それを選ぶ事は
自分には無いと言って居て
俺を信じて欲しい…と 言ってくれていたから
『う…、ん、分かった…ッ
杏寿郎…、ずっと、一緒に居て欲し…い。
私と、ずっと…一緒にいて?』
「当然だな。放せと言われても
放すつもりも、離れるつもりもないからな!」
ーー
ーー
ーー
杏寿郎との通話を終えて
洗面をしに洗面所に向かったんだけど
泣いてしまって居たから
「どうしよう?瞼が腫れてる…
仕事行かないといけないのに…ッ
それに、これ…流石に目立ちすぎ…だし」
杏寿郎が家を出る前に
かなり左の首筋を強く吸って残した
赤を通り越して赤紫に近いそれは
キスマークと言うか痣だなこれ
普通に残した跡なら
3~4日もすれば消えてしまうから