第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
明日の朝は 自分ひとりだから
杏寿郎がいない間の朝は
グラノーラだけで済ませるつもりだし
朝の支度も 杏寿郎が邪魔をするから
早めに起きても時間がギリギリになってたから
いつも通りに起きたとしても
時間には余裕はありそうな気がする
いつもよりも 早い時間だけど
する事も特にないし
今夜は早めに休んでしまおうかと
考えたのは23時ちょっと前ぐらいの事で
洗濯するのを躊躇ってしまって
そのまま置いていた杏寿郎のパジャマは
何となく ベッドの上に置いてある
ゴロンとベッドに横になってみるが
どうにも ソワソワとして落ち着かない
クイーンサイズのベッドにひとりは
ベッドが大きく感じすぎるし
自分の隣に空いたスペースが広すぎる
杏寿郎が居ないのならと
ベッドの中央に寝ころんでみるも
どうにも 余計に広く感じてしまう
「さ、寂しくない…もんッ
ベッドが大きすぎるのが悪いの」
自分の中の寂しさを
大きいベッドの所為にしてみたとしても
居ないあるべき物の存在が
隣にないのは 寂しい
はぁ こんなんだったら
セントジョーンズワートのサプリとか
ネルノダとか買っとけば良かったのかな?
寂し過ぎて寝れないとかある?
しのぶちゃんの家に杏寿郎が留守にしてる
その間お世話になろうかな?本当に
毎日泊ってもいいですよ~って
しのぶちゃんLINEで言ってたし…なぁ
杏寿郎も家に私が一人だけなの
心配してる感じの口ぶりだったしなぁ
そんな事を考えて
手を伸ばした手の先に
杏寿郎のパジャマが触れて
その存在を思い出した
「あ、そうだ。杏寿郎のパジャマ、
すっかり忘れてた、これがあったんだ」
ある事を思いついて
みくりが身体を起こすと
杏寿郎のパジャマを
杏寿郎の枕に着させて
自分の隣に置いて横になる
あるのは枕だけど
ほのかに杏寿郎の匂いがするし
何か 在る 感じがするから
これなら寝れそうだ
杏寿郎が戻って来る金曜日の朝にでも
パジャマと一緒に枕カバーを洗って置けばいい
でも何で 金曜日まで
洗わなかったのかと聞かれたら
これ言い逃れ出来ないな どうしよう?
ギュッと隣に置いた
杏寿郎(枕)に抱きつくと
少しばかり気分が落ち着いて来たので
「おやすみ…、杏寿郎。
杏寿郎が…、九州行ってる間…。
いい子に…待ってる…から…」