第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「俺の彼女も、料理は作ってくれるけどさ。
俺の方が、手の込んだ物作るからって
嫌味言われるけどな。彼女の
作る料理、美味いのは美味いけど」
「木崎先輩はマメなんですよ、
美味しくなる為の下拵えとかに
時間かけてそうですから。先輩の料理は。
俺の妻の料理は、手間暇かけないで
素材の味を楽しむ感じのやつですよ」
ぐいーーっと木崎が
残っていたもう半分のビールを飲み干して
タブレットで杏寿郎が
慌ててお代わりを注文する
「それは、惚気ってやつだろ?」
「普通のカレーとか、普通の
ハンバーグは出て来ませんよ?うち」
「料理上手のメシウマ嫁か…」
「本人は料理は得意ではないと言ってますがね」
「で、今朝から6回して来たと」
「ぶっ、ちょ、先輩ッ…それは
蒸し返さないで…っ、頂きたいのですが」
みくりの事で先輩に
揶揄われながらビールジョッキで5杯飲んで
駅の側のビルから 酔い醒ましに
ホテルまで歩いて帰ると
大浴場に風呂に行こうと言われて
そのまま 裸の付き合いをしたのだが
先輩は風呂から戻ると
酔ってたからかすぐに眠ってしまって
窓のカーテンを開くと
窓の外には博多の夜景が広がっている
そう言えば博多には
チームラボフォレストがあったか
前にテレビでCMをしてて
みくりが行きたいなぁと言って居たな
博多に来てもいいな
ここはちょっと
狭いと文句を言われそうだがな
この間から泊まってる部屋が
いい部屋ばかりだからか
ビジネス利用の部屋としては
標準的なのだが随分に狭く感じるしな
ちらっと木崎の方を見ると
良く眠っているので
隣で少しぐらいなら話しても大丈夫そうだが
洗面所の方へ移動して
みくりに電話を掛けると
流石に1日に3回目ともなると
半分呆れたみたいにして電話に出て
『もう、杏寿郎、電話掛けすぎッ』
「ははは、呆れたか?
もう、風呂には入ったのか?ああ、
俺は、ホテルの大浴場があったから。
先輩に風呂用のマスク貰ったんだ。
ネットで買えるし、今は温泉とかの
受付でも売ってるらしいぞ?」
みくりは風呂用のマスクが
あるなんて知らなかったと言って来て
「部署が違うから、知ってるかどうか
知らないんだが。河田克己って人
うちの会社に居るだろう?」
『河田さんなら有名人じゃん、知ってるよ』