第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「すいません、先輩。
ありがとうございます」
「なぁ、お前さ、肉好き?」
「え、あ、肉、ですか?
はい、好きですが…」
にこっと木崎が笑顔になって
ニヤニヤと嬉しそうな顔をしていたから
木崎には何か考えがありそうな感じがする
前のクリスマスの時の
オークラの時もそうだったし
結婚式での余興とか方々への連絡とかも
彼は本当に
良く気の回るいい男だと思うのだが
「そっか。なら、ここ選んで良かったわ。
あ、部屋は狭いんだここな。ごめんな。
でも、ベッドはシモンズだし、大きいから」
こことマンションの様な
建物の前で木崎が足を止めて
5日間泊るホテルを指差した
外観も綺麗だし 新しそうなホテルだ
階数もあるから部屋数もそれなりに
ありそうな感じで
「割と、部屋数もありそうですね」
「あー、ユニバーサルルームも
あるんだって、
客室数は275室らしいけど?」
そう言う情報まで 頭に入ってる辺りが
木崎先輩らしいと言えばらしいのだが
仕事の時もそんな感じだが
プライベートもそうなのだろうか?
フロントでチェックインを済ませて
ルームキーを受け取り
7階にある部屋へと向かった
ホテルの建物は回廊式になっていて
中央のエレベータの向こうは
大きな開放的な吹き抜けになっている
「煉獄。荷物置いたら、休憩するか?
まだ夕飯には早いもんな。
どうする?居酒屋とか行くか?
クエやら馬刺しとか、九州らしい物
リーズナブルに出してくれる店あるんだけどな」
そう言って エレベーターを降りると
泊る部屋の鍵をガチャと開くと
「割と綺麗なホテルですね、ここ。
吹き抜けがあって、開放的ですし、
外観もマンションみたいですね」
「スーベリアダブルには、
部屋のベランダに、
露天風呂もあるんだってさ。
ビジネス利用も出来るし、
カップルや家族連れでの
九州観光でも使えそうだろ?」
値段が朝食付きで
かなりリーズナブルだったから
ビジネス利用がメインかと思っていたが
観光利用のカップルやファミリー向けの
部屋もこのホテルにはあるのだそうだ
「木崎先輩の彼女は、先輩にあれこれと
尽くされる役どころですか?」
「それが、ダメって言われるんだけどな。
何でもかんでも、調べて決めちゃうからさ。
んでも、お前もそんな感じするけどな、俺」
杏寿郎が木崎の言葉に苦笑いをして