第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
あの人らしいと言えば
あの人らしい…やり方ではあるが
俺が成瀬さんと
会う約束を取り付けているのは
9月の28日の水曜日の夜だ
その水曜の夜には
俺はあの時の事件の全容を知る事になる
今までの成瀬さんの行動からすれば
彼が俺に素直に
全てを話してくれるとも思わないが
彼の行動の原動力の示す所が
みくりなのだから
みくりにとって必要な事には
彼は手段を選らばないからな
俺に対する敵意みたいなのも
遠慮してない感じの時もあるし
疑うなと言われても
彼とみくりの間の関係は
兄妹と言うには
少々許容の範囲を越えているし
イチイチ 財力を見せつけて来るからな
俺に対する嫌がらせなのだろうが
そんな相手だからこそに
彼からしか情報が得られないのは
俺としては不本意ではあるんだがな
「おーい、煉獄、れ、ん、ご、く?
おーい、聞こえてる?俺の声。
おいおい、もう、着く前からホームシックか?
博多、もうすぐ着くぞ?」
ぼんやりと考え事をあれこれと
している内に目的地である博多に
もう少しで着くと言われて
降りる用意をし始める
「すいません、ぼんやりしてました」
「まぁ、今日は何にもないし?
ホテルだから、寝にくいかもだけど
明日からの為にも、早めに休めよ。
どうせ、寝不足なんだろ?やりすぎで」
「寝るのはちゃんと、寝てますから
っと、今日の夕飯はどうします?」
新幹線が博多駅に停車して
新幹線から降りると
博多駅から徒歩10分程の場所の立地にある
朝食付きで1泊5000円以内に収まる
スタンダードツインの部屋を
予約してくれてると言うので
荷物も邪魔になるし
先にホテルに向かう事にした
「部屋にユニットバスあるけど、
大浴場もあるから、そっち
入りたかったらそっち入ってもいいし」
「こういうホテルに大浴場あるのは
助かりますけどね、でも…」
「コロナ気になるよな?でもなぁ、
スーパー銭湯とか割と、受付の
カウンターで売ってるんだけどさ。
あるんだわ。これが。風呂用のマスク。
ネットで安くてさ、買ったんだけど。
俺スーパー銭湯の、サウナ好きで行っててさ。
多めに注文して、新品あるからやるよ」
そう木崎先輩が嬉しそうに
こっちに話して来るから
本人は俺に風呂用のマスクを
くれるつもり満々なんだろう