第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
『ふふっ、何か、こんな風に
電話してたら、同棲する前の頃みたいだね』
同棲する様になってから
家に帰れば みくりが居るから
電話を掛ける必要も無くなっていたから
同棲する前の頃は 毎日の様に
会ってない日は電話してたか…そう言えば
「そうだな、こんな風に電話するのも
随分、久しぶりな気がするな。
いつもの電話は、帰るの遅くなりそうだとか
そんな電話だったしな」
同棲する様になってからは
会話を目的とする電話と言うよりは
連絡事項を伝える為の電話しか
して無かったか
だが 今 俺がみくりに掛けた
この電話は 俺が
みくりの声が
聞きたくて掛けた電話でしかなくて
「余り、先輩をほったらかしも良くないか。
なぁ、みくり。折角電話してるんだし。
丁度いい事に、今、デッキには俺しか
居ないんだがな?言ってくれないか?」
そうスマートフォンの向こうで
杏寿郎が声を潜める様にして言って来て
杏寿郎がこっちに言わせたい言葉は
こっちにも理解は出来てるんだけど
「んもぅ、杏寿郎は仕方ない旦那さんだなぁ。
うん、わかってるって、ちゃんと
戸締りはするから。心配し過ぎ、うん?
もう、杏寿郎はちゃんと、研修を
しっかり受けて来てくれなくちゃダメでしょ?」
『なぁ、そろそろ、あっちに
戻らないと…ダメそうなんだがな。
みくり、ちゃんと研修頑張るから。
帰ったら、その分、ご褒美はくれるんだろう?』
そう杏寿郎がご褒美を要求して来て
帰って来るのは金曜日の夜だから
次の日は休みなのは休みだけど
「ご褒美は、あげてもいいけど。
私にも、くれるんだよね?え?あ、
いや、明太子じゃなくって、欲しい欲しいっ
要らないって言ってないですからっ。
明太子、欲しいですっ、杏寿郎様」
こっちからご褒美を要求すると
あっちもご褒美が欲しいと言って来たので
だったらご褒美があるなら 土産は
要らないのかと聞くと 慌ててそれを
みくりが否定して来るから可愛いと
思わずに居られないし
ついついこっちも からかってしまいたくもなる
「ねぇ、杏寿郎」
『ん?何だ?ちゃんと明太子は
買って帰るぞ?』
「そうじゃなくてね?
大好きだよ、杏寿郎。
また、電話くれるんでしょ?待ってるね」
そう言って欲しいとは
アピールはして置きながらに