第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
みくりからの ”好き”を
今日はアパートを出るまでの時間に
何度もその口から強請って言わせて
こちらからも何度も言ったのに…だ
そうしてる時じゃない
みくりからの”好き”に
感動にも似た感情を抱いている自分が居て
『ありがとう、みくり。
君のお陰で、研修頑張れそうだ。
みくり、愛してるぞ?』
じゃあ また夜にと
通話を切られてしまって
通話の終了した
杏寿郎とのトーク画面に
ちゅ…とみくりがキスをして
スマートフォンを
自分の胸に押し付けて抱き締めると
「私も、大好きだし、愛してるよ?杏寿郎」
でも 不思議だ…
杏寿郎が目が覚めたら 居なくなって居て
寂しいって気持ちで胸がいっぱいだったのに
今は その寂しいって気持ちが
和らいで居たから
やっぱり
杏寿郎はズルいなって思うし
やっぱり 私は
杏寿郎が好きだなって思っていた
杏寿郎がデッキから戻ると
木崎が既に2本目の缶ビールを開けていて
「ほい、これ、お前の分」
と電話をしに行っていたので
まだ1本目を開けていないので
杏寿郎がそれを一気に飲み干して空にすると
木崎の手から新しいスーパードライを
お礼を言いながら杏寿郎が受け取ると
缶を持っている 木崎と目が合ってしまって
そのまま 彼と見つめ合ってしまっていて
「なぁ、俺もさ、そろそろ結婚とかって
年齢の事もあってさ、考えちまうんだけど
どうなの?正直な所、結婚てさ」
プシュと杏寿郎が
新しいスーパードライを開けると
「結婚、ですか。
うーん、見ての通り…ですが?
先輩の目には、どう見えますかね?俺」
「腹立たしくなる位に、幸せそうだわ」
「まぁ、彼女とは付き合うまでも
付き合ってからも大変でしたからね。
ああ、見えて、妻も割とモテる感じなので」
「煉獄なんて、女関係なんて。
苦労知らずって感じするけどな」
意外だと言いたげに木崎が
杏寿郎に言って来て
ふぅーっと杏寿郎がため息をついて
付き合うまでも
付き合ってからも
大変だったには大変だったが
そして 結婚してからの今の方が
大変な事になりそうな予感しかしないしな
「先輩は、今の彼女さんと
結婚を考えておられるんですよね?」
「ああ。まぁな。そのつもり、
あっちもそのつもりみたいだしな」