第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
隣からスーパードライを
木崎先輩が杏寿郎に差し出して来て
「飲むだろ?今日は休みだしな。
もう、運転する事もないし、
博多着いたらホテル行くだけだしな」
木崎の手から
杏寿郎が缶ビールを受け取ると
プシュとその蓋を躊躇する事なく開けたので
「頂きます、これ」
「そうそう。そう来なくちゃ」
14時過ぎ発の新幹線で今の時刻は
丁度15時半を過ぎた所で
つい 10分程前に広島を過ぎた辺りだった
「奥さんからLINE来ないの?」
「そうですね、まだ、
妻は寝てるのかも知れません」
「寝てる?ああ、調子悪いの?
例のアクアトピアの時の奥さん。
前に煉獄の奥さん、会社で
調子悪そうにしてたの見たけど。
んでさ、予定日はいつ頃なの?
もう、性別どっちかとか、わかってるの?」
そう 木崎先輩がみくりの
寝ているを妊娠していて
調子が悪いから寝ているのだと解釈した様で
そう出産予定日を聞いて来るから
「……あの、木崎先輩」
「ん?何?どうかした?煉獄」
「俺の妻は、まだ、
妊娠はしておりませんが」
「え?でも、凄いしんどそうに
してた時なかった?あ、えっ、
ああ、悪い、そっちだったのか…ッ」
そう言って 触れてはいけない
話題に触れたかのように
木崎先輩が言って来て
「いえ、妻は流産もしてませんが」
「え?じゃあ、なんで
あんなに具合悪そうにしてたんだよ。
お前の奥さん、おめでたなんだねって
他の部署の連中も噂してたからさ。
妊娠もしてなくて、流産した訳でもないなら
単なる体調不良だったの?」
「えっと、それは…ですね、俺が
単に、その…ッ」
杏寿郎が返事を濁してすぐに
答えを返して来なかったので
ゴクゴクと木崎先輩が
喉を鳴らしてビールを飲むと
「あー、まだ、奥さんが寝てるかもって
言うのと、それってさ、同じ理由?な感じ?
まぁ、煉獄、タフそうだもんな。
そんな見た目してるわ。なぁ、ココだけの
話だからさ、何回して来たんだよ?教えろよ」
「えっ?回数…ですか?
言ったりしません…か?その…」
余り この夫婦間の事を
他の社員に知られると言うのもなぁと
思わなくもないが
「言わない言わない。
俺は、我妻じゃないんだぞ?」
「その…今朝起きてから、3回して。
それから遅めの朝食の後にも…もう3回ほど」
「ろっ、6回…か?」