第76章 ふたり 一人独り 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
自分には分からない感覚だからか
杏寿郎がそう尋ねて来て
「理由なんか知らないよ、
人よりも嘔吐反射って反射が
起こりやすいってだけの話だよ」
こっちが聞きたいと言いたげに
不機嫌そうに返事をして来たので
毎日の事ながらに
本人も不快に感じてる様だった
「一緒に歯を磨いてて、
そうなってる所を見た事ないが?」
「ああ。それ?見てて気分悪いだろうから
その内側の奥歯だけ、そっとだけして置いて。
後で磨き直してたから」
そう 今度はしれっと言って来て
そうだったのか 同棲する様になってから
何度か一緒に歯を磨いた時があったが
いや泊りでラブホテルに行った時とかも
陰ながらにそんな事をして居たのか…
「いや、もう、夫婦なんだし
俺に気を使って貰わなくても…いいがな」
「ええ?でも、貰いゲロとかしない?」
恋人の前でおならができますか?
みたいなのと同じジャンルの話だと思うが
貰いゲロしないかと心配されるのか?
「一回、こう、来るまでは大丈夫なんだけど
一回、なると、チョンとでも触れたら
オエェってなるんだけど?
でもね、歯磨きの時間はね、
ずらした方がいいと思うの。悪い事は言わない」
そう真剣に言って来るので
その勢いに頷いてしまった
歯磨きを終えて
みくりの話を聞くと
みくりとの歯磨きプレイは
楽しめそうに無かったので諦めたのだが
一緒にベッドに潜り込んだ
「ねぇ、杏寿郎。何時ぐらいに出るの?」
「お昼を早めに済ませて、
午後一位に出る予定だがな」
「そっか…」
ギュッと俺のパジャマを握りしめて
身体を擦り寄せて来るから
みくりの身体を自分の身体の方へ
引き寄せて持たれさせると
自分の腕で包み込む
「そんな、顔されると出にくいがな…」
「ねぇ、杏寿郎。
このまま、寝ちゃう…感じ?」
「今夜はこのまま寝て、起きてからだな」
ナデナデと頭を撫でられてしまって
「俺としては、
出るギリギリ前までそうしたいがな」
そうしたそうな口ぶりだったが
隣からは規則正しい寝息が聞こえて来たので
夕飯の前の時は結構
彼女には無理をさせたからな
「おやすみ、みくり」
おやすみの挨拶のキスを
杏寿郎がみくりの額に落とす
研修に行ってる間はおやすみの
この挨拶も出来ないのか…と思うと