第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「屋上行くだろう?海も見えるし」
「前にリクガメにエサあげたよね?
ウミガメと、アザラシとペンギンも居たっけ?」
本館の屋上はちょっとした
展示スペースとタッチプールと
休憩が出来る椅子が備えられていて
海の傍の立地なので海を眺める事も出来る
「食べるか?セブンティーンアイス」
並んでいる自動販売機の中の
セブンティーンアイスの
自動販売機を杏寿郎が指さして
「子供の頃は、ここで
セブンティーンアイス食べるのが
鉄板だったけどな、俺の」
「だったら、食べようよ。
海、見ながらさ。セブンティーンアイス。
杏寿郎はどれにする?私は
チョコチップのやつがいいなぁ」
「そうだな、俺はチョコミントだな。
その顔は、歯磨き粉の味って言いたいのか?
それを、チョコミント好きの前で
言ってみろ?殺されかねんぞ?」
自分のお目当てのチョコチップの
紙を剥がしているみくりに
杏寿郎が声を掛けて来て
「ええっ?言ってないし?
断じて、言ってないもん。
歯磨き粉とは…っ」
ニヤッと杏寿郎が笑ってたから
「あっちで食べるだろう?」
屋上の隅に海の方を向いて
設置してあるベンチを
杏寿郎が指さして来るから
そのベンチに座って
2人ならんでセブンティーンアイスを食べる
「美味いな、アイス。
味見するか?チョコミント味」
「ヤダ、しない」
苦手なのか顔を顰めてみくりが
こっちを睨む様に見て来るから
「俺としては、おすそ分けしたんだがなぁ」
「お外はダメって言ったでしょ?
ここはお外です。杏寿郎の
考えてる事なんて、マルバ…れっ!?」
と言い終わる前に
おすそ分けを実行されてしまっていて
「どうだ?悪く無いだろう?」
「やっぱり、歯磨き粉じゃんっ!
歯磨きした直後にキスした味したもん」
「文句言うのもいいが、溶けるぞ?」
そう言って指に溶けて
垂れて来たのを舐め取られてしまって
「甘いな…、みくりは」
「それは、アイス、アイスが甘いのッ」
向き合って居た身体を
真っすぐにして座り直すと
杏寿郎が自分のチョコミントに齧り付いて
「美味いけどな、チョコミント」
「ミントが苦手なんだってばっ」
「君は、我が儘さんだなぁ」
「好みの問題だよ、そんなのッ」
「ほら、溶けるって言っただろう?
溶けて来てる表面を舐めるといいぞ?」