第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
中に入ると
みくりが料金の愛内を指差して
「今は本館だけの営業だから、
入場料半額になってるね。
ここは元々、他所の水族館に
比べたらリーズナブルな価格設定だけどさ」
杏寿郎が財布を出そうとしたのを
みくりが止めて来て
「…みくり?」
「出させてくれる?ここには
デートでも来たことあるけど、
思い出のある場所だしね。
取り壊しになっちゃうのは寂しいけど、
古いなってあの頃から、感じてたからさ」
チケットを購入して中にはいると
一番最初にメインの
波の大水槽が出迎えてくれる
水槽の掃除ロボットが
アクリルを掃除するのを
一緒に親と眺めたのを憶えている
「冬にさ、ここに
こたつあった時あったよね?」
「ああ、そうだな、確かに
前に来た時が冬でこたつがあったな」
「ここで泊ったりとか、出来たりも
したんじゃないかな?確か」
そう言いながら大水槽の前に立つと
その中を泳いでいる魚達に目を向ける
「やっぱり、ちょっと寂しいか?」
「水族館は好きだから、新しくなるのは
嬉しいんだよ?シャチが来るって聞いたし」
「2024年に、リニューアルオープンしたら
また、一緒に来よう。形は変わってしまうかも
知れないが。新しいここで、思い出を
また作って行けばいいだろう?」
みくりが大水槽に向けていた視線を
上に向けると 杏寿郎も上を同じ様に向いた
「綺麗だよね、キラキラしてて
あの上の丸くなってる青い所もさ
星空みたいじゃない?」
「戻っても来れるし、先に行くか?」
そう言って 水槽の前で
思い出話をしては
館内を回って行く
「杏寿郎、ありがとうね?」
「ん?ああ、ランチの礼か?
それとも、ここの礼か?礼なら後で」
「ベッドの上で返してくれたらいいでしょ?
もう、いっつもそれ言うし…」
「男なんて、そんなモンだろう?
君からの感謝の気持ちを、言葉なり
サービスなりで還元して貰えればな」
「まぁ、ここでそう言うサービスに
還元してくれって言われても困るけど。
あ、あれ好き、タイムトンネルみたいなの
地球の生き物の歴史が、
ブラックライトになってる所。
三葉虫とか、アノマロカリスとか
ハルキゲニアとかさ、可愛いよね?」
そう言ってカンブリア紀の前のエリアで
そこに描かれている生き物を指差して来て