第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「………、やっぱり来週は俺が
一緒に乗れないし、車で通勤した方が…」
「もう、杏寿郎は心配し過ぎだから」
そんな話をしている内に
水族館のある駅に電車が着いて
ランチを予約している
洋館のフレンチレストランへと移動する
手をつないで歩ていると
気にはして無さそうな顔をしてるが
「杏寿郎、今日のお店ね。
前に雑誌に載ってたし、たまに
テレビで紹介されてたりするでしょ?」
大正モダンな洋館で
今が令和なのかって忘れそうな
非日常な特別な時間を過ごして
料理が運ばれて来る頃には
車じゃないからワインも頼んだし
みくりの機嫌も良くなってる感じで
折角嬉しそうにしてるんだったら
わざわざさっきの話を蒸し返して
空気を悪くする必要も無いかと
「杏寿郎さぁ、これ、ランチの中で
一番高いコースじゃない?」
ランチのハーフコースなら
4皿程度だし
これは6皿目のお料理で
メインの牛フィレには
フォアグラのソテーとトリュフも乗ってるから
ランチなのにお高いコースだろうなぁと
「え?あ、ああ、…ここは
前から一度、君と来てみたいって
言うのもあったしな。これから先、
子供が生まれてからも、こんな風に
君と2人でフレンチのコースを楽しむ日も
俺としては欲しいがな?」
そう何気なく質問の答えを
はぐらかすから
一番高いコースだったんだろうなぁと
思わなくもないけど
「美味しいね。杏寿郎」
「ああ、美味いな」
いつもの美味い!もいいけど
こうして場所に合わせて言う
控え目な旦那さんの美味いもいいなって
「杏寿郎、さっきの話なんだけどさ」
「ああ、夫婦のデートの日の話か?」
「結婚記念日とか、お誕生日とか
そう言う日なら、
お母さんに頼めそうかな?
あんまり、子供が
小さすぎる内は難しいだろうけど」
「俺としては、毎月1日位は
そんな日が欲しいけどな」
毎月 夫婦でデートする…か
クイッとワインのグラスに
口をつけて飲むと
お代わりのグラスワインを注文して
「ああ、心配には及ばないぞ?
ちゃんと、子供の面倒も見るつもりだしな!
水族館も、動物園もあるし
アンパンマンの子供向けの施設もあるしな」
「うーん、まぁ、その、
子供がある程度大きくならないと
アンパンマンが分かる位にならないとね?」
「あそこがあるだろう?」