第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「んっ…、はぁ、…ん…ッ」
口付けを角度を変えて
繰り返されながら
ソファの上に身体を倒される
「んっ、…待って、杏寿郎…、
明るい…からッ」
明るい場所で俺がいつも
したがるからなのか
明るい場所での行為も
抵抗なく受け入れてくれているのに
今日はそれを 拒む様に
そう言って来るから
「俺に、見られて困る様な物があるのか?」
本人が俺に見られたくないのは
その顔なのかも知れないが
みくりが俺にそうされてる時の顔を
今夜の彼女が見られたくないと
そんな風に感じて思っているのか
「んんっ、困る…ッ、見ちゃ…やんッ」
そう言いながらに 自分の顔を
その手で覆って隠して来るから
そう みくりの方が
それを俺に見せまいとするほどに
今夜の俺の方が
俺にそうされている時の
みくりの顔を隠されてしまえば
いつも以上に 見たい…し
確かめたいと思って居て
スルッと杏寿郎の手が
みくりの頬を撫でて来て
顔を覆っている手の上から
ナデナデと優しく撫でつけて来る
「どうしてだ?みくり。
どうして、顔を隠す?君の顔を
俺に、見せてくれないか?
君にそうしてもいいと、
許されてるのは、俺だけだろう?」
閉じられていた指と指の間に
すすっと隙間が出来て
ムスッとした顔を向けている
みくりの顔が見えるから
そのむくれッ面をしている
みくりの両方の頬を
ムニッと摘まむと もにゅもにゅと
ちょっと乱暴に頬の肉を揉みしだく
「痛い、それっ、痛…いってばっ!
んもぅ、杏寿郎。私の
ほっぺたをもにゅもにゅしないでってば!」
「すまん、痛くしてしまっていたか?」
乱暴に両方の頬を揉んだお詫びの様にして
よしよしとちょっとジンジンとしてる
頬に両手の平で冷やすようにして
そっと触れて来て 撫でて来るから
クイッと指で顎を引きあげられると
その赤い双眸に上から見下ろされてしまう
射貫く様な 杏寿郎の視線が
自分に真っすぐに向けられていて
考えるよりも自然に
彼のキスを受け入れてしまっていた
彼とはもう 何度
身体を重ねたのかなんて
回数なんて憶えても居ないけど
私…と言う物その物が
彼にそうされている方が
自然…になってしまって居て
思わず ふふふッと声を漏らして笑ってしまった