第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
みくりがサンドイッチを
齧りながら足をブラブラさせつつ
そう言って画面に魅入って居て
「ああ、日本じゃないみたいだな…」
小川のせせらぎと
小鳥のさえずりと
時折吹く風に木の葉の擦れる音がする
「これで、風の流れがあったら
もっとそれっぽくなるかもな」
お腹が膨れていっぱいになって
横向けにブランコの様にしてた
足を上げて 二人で並んで横になる
杏寿郎が大きな背もたれになる
三角のクッションを置いて
それに持たれながら
買って来た本を読んでいたから
「ねぇ、杏寿郎
それ、今もう読んじゃうの?
移動の暇つぶしだったんじゃないの?」
「ああ、それは、3冊あるからな。
これは今読む分だが?
それより、何もしなくていいのか?君は」
動画を観る訳でもなく
LINEをする訳でもなく
杏寿郎の身体にもたれ掛って
スリスリと身を寄せて来るだけで
「ん、いいの。今、忙しいから」
「ん?忙しかったのか?それ」
「そうだよ!私は今
杏寿郎をチャージしてるのっ」
ガバッと思わず みくりの言葉に
杏寿郎が身体を起こしたが
頭の位置が変わって
戻れと言いたげな視線を向けて来るから
元の位置に杏寿郎が納まると
空いて居る方の手で
トントンとみくりの身体を
寝かしつける様にして叩いて来るから
「お昼寝させようとしてない?」
「なぁ、みくり。
その、朝の話の続きはないのか?」
奏さんとのその後を
聞かせろと言うので
「奏さんと、付き合う様になったのは
私が、20になってからだよ。
未成年にはそう言うのしないって言うのが、
彼のポリシーだったみたいだから」
読んでいた本を自分の胸の上に
杏寿郎が置いて
ゴロンとその持たれていたクッションに
杏寿郎が身を預けると
「じゃあ、その彼が君に色々と
仕込んだ張本人か?」
「奏さんじゃないかな…?それは」
「そうでないのなら、篠田の方か?
篠田は女性関係が、かなり派手
だったはずだが、あの篠田は
どうしてあんなに君に固着してたんだ?」
「奏さんと出会った、砂浜のコテージの
BBQの主催者…がその人だったの」
「奏さんとやらにのされた、
3人の先輩の中の一人だったのか?」
未成年の1年生に
集団で圧を掛けて飲酒させて
乱交紛いの宴をしてた訳か…
篠田からすれば 食い損ねた獲物か…