第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
彼のプライドがそれを許さなかったのか
またの機会にと思って居たら
みくりは奏さんと行動してるし
手を出そうにも抑止力になってたのか
もしかすると 奏さんとやらが
それをさせない為に
みくりと伊藤との交流を
ずっと続けてた…とも考えられるか?
お金にもならない
女子大生との交流なんて
ヤクザ者の彼にはメリットも無さそうだしな
だとすれば 最初から
篠田のBBQと薬物との関連を疑って居て
密漁をしてたフリをして篠田を
張って居たと言う線もあるのか?
実際にそうは無さそうに言って居たが
関連が無かったとも言えないのか?
その場しのぎで2人を落ち着かせるための
嘘だった可能性もあるのか
「その奏さんとやらは、
今はどうしてるんだ?」
「知らない」
「みくり?」
「奏さんが突然いなくなっちゃって。
しばらくして、舎弟の人から彼が
死んだんだって聞いただけだから。
本当に死んだのかも、私は…知らない」
「なら、その後だな。
篠田と強制的に付き合わされてたのは」
言葉での返事は無かったが
頷いたからそうだったのだろうが
俺が告白をした時も
篠田に別れたいと言っても
別れて貰えないと言ってたからな
「それはいつ頃の話になる?」
「大学の…、3回生の11月…位」
彼女の友人である伊藤明日香が
自殺する1ヶ月ほど前になるのか
「明日香ちゃん…は、
騙されてたんだと…思うの」
伊藤を騙した相手は
紛れもない みくりの
元彼である篠田大気なのだろうが
「ねぇ、杏寿郎は…
同じ中学高校だったから、
明日香ちゃんの事気にしてるの?
何度も自分に告白して来てた相手だったから?」
「ほんの短い期間だったが、
彼女と付き合ってた時期があったからな」
咄嗟に嘘をついてしまって居た
俺と伊藤とはちゃんと
付き合ってた訳じゃない
杏寿郎が嘘ついてるって言うのは
もう付き合いも長いから
私にも分かってるけど
私も嘘はついてるから
彼が何をこっちに隠したがってるのかは
何となくには分かるから
「怒らないのか?みくり」
「どうして?怒らないし、怒れないよ。
杏寿郎がそうしたのも全部、
明日香ちゃんの為でしょ?だからいいよ」
まだ 聞きたい事はあるが
それは彼の口から聞かせて貰うか
これ以上踏み込むのは難しそうだ