第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
そう海から突然現れた
密漁者の方が
今砂浜に伸びている先輩よりも
信用が出来そうなのは確かで
みくりと明日香は
顔をお互いに見合わせて
うんと頷いた
それから 私と明日香ちゃんと
奏さんの3人で会う事があった
私も明日香ちゃんも
嘘みたいな信じられない
奏さんの裏の世界の話を聞くのが好きで
俺と一緒に居ると
どこかの外国に売りさばかれるぞとかと
冗談めいて脅されたりしつつ
良く分からない交流が続いていた
危険な男性なのだろうが
ヘラヘラと笑って
話をする奏さんを見て居ると
本当にそう言う組の人なのかな?と
疑いたくもなるくらいに
普通に優しい人だったんだ
美味しい物や
珍しい物を食べさせてくれる店にも
あっちこっち連れていて貰って
奏さんを好きになるのには
そんなに時間は掛からなかったけど
告白してキッパリと
化粧もロクに出来ない様な
子供は相手にしないと断られた
奏さんは甘い物が大好きで
女の子が多い店には
男一人では入れないからと
付き合ってくれと頼まれる事もあって
テレビで話題のスイーツの店に
あれこれと連れて行って貰った
『今度さ、タピオカ屋始める事になったんだ』
奏さんが言うには
あちこちのタピオカのお店は
ヤクザの資金源稼ぎのシノギに
なって居ると言う事だった
大学の近くともあって
女子大生も沢山
奏さんのお店に行列を作って居て
大学生と話をすれば
探している大学生に薬を流してる
売人の尻尾が掴めるかも知れないとと言う
『資金稼ぎも出来て、
情報も得られる、一石二鳥だろ?』
無戸籍でなかったら
こんな仕事してなかったかもなとは
前に酔っぱらった時に聞いた事あるけど
タピオカを売ってる時の奏さんは
キラキラしてて楽しそうだった
明日香ちゃんと2人で
奏さんの所にタピオカを良く買いに行ってた
ーーー
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「知らなかったな…、伊藤明日香と
君とは友人だったんだな」
「明日香ちゃんも、奏さんの事
ちょっと気にはなってたみたい。
でも、杏寿郎は知ってるだろうけど。
明日香ちゃんはずっと…」
中学生の時から明日香ちゃんは
杏寿郎と同じ学校で
この大学だって杏寿郎が希望してるからって
勉強して入試受けたんだって言ってたから
当時の私は声が大きい人位にしか
杏寿郎の事を思っても無かったし