第75章 ふたり 一人独り 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「いや、でも同意上だったから。
その辺は大丈夫な感じだったから
外で大人しく終わるの待ってたんだけどさ。
その時に中から、先輩が3人出て来てね」
「どっちかと言うと、そっちの方が問題だな」
「まだ、楽しんでない子居るじゃんって
当然、あっちも結構飲んでるから
嫌だって言ってるんだけど、耳に入ってない感じで。
割とこれは、マズイって頃に丁度
通りかかったのが、奏さんだったんだけどね?」
夜の遅い時間の
街から離れた場所の
浜辺のコテージに
その男は何を目的として居たのかとか
逆にそっちが不審者なのでは?
「ウニ、投げて助けてくれたの」
「ウニ?」
全身に海藻を絡ませたウエットスーツの男が
海から突然現れて
襲われそうになった所を助けられたと話して
「そう、ムラサキウニね」
「その奏さんとやらは、夜の海で
何をしてたんだ?」
どこから話を聞けばいいのかと
思わなくも無いが
ウニがムラサキウニだとかは
どうでもいい様な気がするが
「密漁?って言ってたよ。
ウニやら伊勢海老やら、鮑とか
沢山獲ってたからさ」
「ちょっと、待ってくれないか?
色々とおかしいんだが、
彼は何者で何で、密漁なんてしてるんだ?」
「奏さんは、孤児で無戸籍だから
自分の本当の親が日本人なのかも、
自分の本当の名前も、年齢も
何も分からないんだって言ってたけど?
ああ、密漁は半分趣味って言ってたよ
自分の組のシマでやってる店に卸してるって」
話を聞けば聞く程混乱して来る
「で、奏さんが言うに、
自分の組じゃないけど、大学生相手に
違法な薬を売ってる奴らが居て。
組の偉い人にその売人と、
流してる奴らを、割り出してって
言われてるって言ってたけど?」
その時の
奏さんと出会った時の事を
思い出して居て
ーーー
ーー
ー
あっという間に3人は砂浜に伸びていて
『あ~。そう。
その話、アンタ等から聞いた感じだと。
今日の酒には何も入って無さそうだけど。
アンタ等の大学の名前も、聞いた中にあったし。
薬が学内にも流れてる
形跡があるから。気つけな?』
頭にわかめ付けた怪しげな人に
正論を言われてしまっていて
『俺、今からこれ
店まで届けに行くし、帰るけど。
そのままトンズラするなら、乗ってく?
始発まで駅で待たないとダメだけど。
アイツ等起きたら面倒臭いから』