第74章 地味派手な彼女の秘密 お相手:宇髄天元 現代パロ
みくりがはぁ…とため息を付くと
自分の恰好を見て
お世辞にもお洒落だとは形容出来ないし
後ろでひとつに束ねただけの髪型も
所謂 暗髪カラーの
ドライフラワーカラーだから
診療所の事務が派手な色には出来ないし
私なんかを相手にする…メリットなんて
無いんじゃないかなって思うの
痴漢プレイだって
したいってあの顔で言われたら
そんな趣味なくても
どの子もOKするんじゃないかなって
はぁ…っと みくりが
深いため息をついて 家路についた
それからと言う物
何となく彼等と出会いたくなくて
1本バスの時間をずらす事にした
あれから 半月が経つが
彼等とは出会ってないから
これでいいんだと
流石に半月も経てば
私に言った事なんて
色んな女の子の相手してるんだし
あの人もきっと忘れちゃってるって
そう 思ってた
その日は午後診がとても混みあって居て
仕事が診療時間内に終わらなくて
当然 診察が終わらないと
会計が出来ないし
処置室で点滴をする人が居たから
その患者さんの点滴が終わるまで
会計待ちをしていたら
当然 すっかりと遅くなってしまって
トボトボと 診療所から
バス停まで歩いて
駅へと向かうバスを待っていると
それからしばらくしてバスが来て
みくりがバスに乗り込んで
いつも定位置に座ったまでは
憶えていたのだが
そのまま ホッとしてしまって
寝落ちしてしまっていたらしく
どこかからが 現実なのか
どこまでが 夢の中なのか
自分でも自分の置かれている状況が
まどろんだ世界の中にいて
分らないままだった
『あんな音さ、俺に聴かせといてよ?
避けるとか、どう言うつもり?
……って寝てんのかよ』
そう どこかで聞いた声がする
ぴくッと声を掛けられて
少しみくりが反応するが
一向に起きる気配はない
あれからぱったりと見なくなって
探していた顔を見たのはいいが
当の本人は爆睡かましてるってどうよ?
『なぁ。そろそろ、起きたらどう?
もうすぐ、駅前…着くんだけど?』
駅まで行ってしまえば
この時間にもなれば
バスの本数も減るから
そのまま バスターミナルにある
車庫まで回送になる時間だから
降りないと バスターミナルまで
このバスと行く事になるんだけど?