第74章 地味派手な彼女の秘密 お相手:宇髄天元 現代パロ
丁度 乗っていたバスが
大学前のバス停に到着して
ドアが開くと
どっと押し寄せる様にして
出口に向かう流れが出来るから
「はい、こっち。まだ降りないでしょ?」
その腕に守られて
流れとは反対方向の位置に
知らない間に移動させられていて
「宇髄。降りるぞ?」
「遅れんぞォ」
降り際に 耳元で
私にだけ聞こえる様にして
ある事を囁いて来て
そのまま バスを降りて行ってしまった
バスの乗客は大学で行われる
講演会が目的だから
大学を過ぎると
いつもの快適なバスになっていた
正直 仕事には向かったが
その日は ぼんやりしたまま
仕事を上の空でしていて
計算ミスをしてしまい
怒られてしまったのだが
朝からあんな事があったら
動揺もしてしまうし
仕事に身も入らなくなってしまう
幸か不幸か
その日の帰りのバスでは
彼等のグループとは一緒にならず
みくりは落ち着ける
いつもの定位置に座って
ほっと胸を撫で下ろした
朝の事が頭の中でちらついて
自分が朝に立っていた場所を
つい見てしまって居て
私の妄想とその後の現実が
ごちゃごちゃになってしまいそうになる
あれが コスタじゃなかったら
良かったのに…なんて
そんな馬鹿な事まで考えてしまう
朝のバスの降り際に
宇髄に言われた言葉を思い出して居た
ー『(もしかして、残念だった?
でも、本当にそう言う感じの
してみたいんだったら、付き合うけど?)』ー
してみたい…って所までは…
行ってなんかいないとは
あんな妄想を
本人達の前でしていた位なのだから
思ってないだなんて言えなくて
現実では無かったのだが
妄想の外で感じたあの感覚を
忘れられなくなっている自分が居て
アレが本物だったらなって
そんな事を考えるだけで
今度彼に合う事があったら
お願いしますって言いたくなってしまう
「はぁ……、流石にそんな事を
本気で言ってるわけない…か」
多分じゃなくても立派な犯罪だから
からかわれた…んだよね?きっと
でないと あんなイケメンが
私みたいな地味な女
相手にする訳無いよね…?
実は何度か…駅前を
女の子と一緒に居るのを見た事があるけど
同じ女の子じゃなかったし
どの女の子も目鼻立ちが整った
綺麗で スタイルも抜群の子ばっかりで