第73章 残りの結婚休暇の使い方 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「ギマはこの辺のスーパーなら
普通に買える魚だけどね。
美味いだろう?ギマ。外道でも。
ギマ狙いの釣り人も居る位だしね」
「ギマは煮つけも美味しいらしいよ?
真希ちゃんが車エビだけじゃなくって
お魚も料理してくれるって言ってたから」
「車エビから、ギマに目的が
変わってないか?ほら、ワタリガニ」
杏寿郎がワタリガニが掬えたと
網をこちらに見せて来るから
「ワタリガニ、お味噌汁に
して貰って、茹でて貰っても
そんなに朝から沢山食べれないよ」
ワタリガニもそれなりに掬えたから
明日の朝にそんなに沢山
ワタリガニ食べれないしな
「なら、ワタリガニ締めるから
茹でるだけ茹でて貰って冷凍すればいい」
そう船長さんが提案してきて
「でも、次の日も寄り道して帰るので
家には戻れないし。引き取ってもらうとか
できますかね?」
「生のままでも、車エビと一緒に
冷蔵便で送れなくもないよ?
でも、ワタリガニは生での冷凍はねぇ」
そう渋る様な言い方なので
生の冷凍は鮮度も味も落ちやすいのだろう
「勿論、こっちで多すぎる分は引き取るよ。
もしかしたら、あっちで舌平目と
交換して貰えるか口聞いてあげようか?」
本来は底に居る 車エビが
上に向かって上昇する潮の流れで
湖面まで浮いて来るので
その流れには 同じ様に底で生活している
ワタリガニも巻き込まれるし
同じ様に底で生活してる
舌平目も巻き上げて来るみたいで
このえびすき漁の船でも
舌平目が掬える事がしばしばにある様で
ワタリガニとそれを交換して貰えるか
他の船の人に交渉してくれる様だ
「いいんですか?」
「いいよいいよ。今日のワタリガニ。
いい値段付きそうな大きさだしね」
車エビも沢山掬えてるけど
ワタリガニも沢山掬えてる
もう杏寿郎なんて
今日が初めてって言うか
もう3回目みたいな感じで
じゃんじゃん掬ってこっちに持って来ていて
それを自分も車エビを掬いながら見ていると
真剣に湖面を見てる杏寿郎の横顔が見えて
スマートフォンでその姿を撮影すると
気が付かれない様に無音のカメラで撮ったのに
気付かれていた様で
こっちに笑顔を向けて
獲物を見せて来るから
その姿も納めさせて頂いて
「何だ、バレてたの?」
「俺が君の視線に、
気が付かないとでも思ったのか?
熱い視線を、向けてくれてただろう?」