第73章 残りの結婚休暇の使い方　後編　お相手：煉獄杏寿郎　現パロ

場所が決まったら
乗船して済み次第　出航すると言うので
漁港でお手洗いを済ませて　
ライフジャケットを装着すると

本日お世話になる　船に乗り込んだ

小さな船だし
船酔いしないかと思ったが
私のそんな心配は必要も無くて

漁港からえびすき漁のポイントまでは
船で10分もかからない距離で
途中でお手洗いに行きたければ
行くから声を掛けてくれと言われて

弁天島へと掛かる橋の下のポイントに到着すると

錨を降ろして　橋に流されない様に
船を固定すると
湖面をライトで照らして

えびすき漁のコツを
船長さんが説明してくれる

「要するに、この網で
エビを掬えばいいんだろう？」

杏寿郎がそう言って
受け取ったタモを持ち上げて見せて
多分彼は本能的なカンですぐに
コツを掴んでスイスイ掬うだろうから
杏寿郎には説明は不要かも知れない

浮かんで来てこの網で
掬える物なら何でも
持って帰っていいと船長さんが言って来て

「車エビはねぇ、盆過ぎると
サイズは大ぶりになるけど、
ちょーっと、数は控え目かな？
でも、運が良かったら浜名湖名物の
ドウマンガニが掬える時もあるから」

ドウマンガニと言う言葉に
みくりが反応を示して

「ドウマンガニが、
掬える事もあるんですか？」

「でも、今はワタリガニが多いかな？
４０杯とかワタリガニ獲れる時あるよ。
後は、アカアシエビ、シタビラメ、タコ、
モンゴウイカやサヨリ、スズキとかかな？」

そう　このえびすき漁で
エビ以外に獲れる物を説明して来て

「ワタリガニは是非とも、
明日の朝にお味噌汁にして貰いたいです。
でも、今回はあれが掬いたいんです」

「もしかして、ギマ狙い？
あ、お客さんもあの動画見て来た人？」

気まぐれクックの動画の中で
かねこさんがえびすき漁で
掬っていたのがギマと言う耳慣れない

足が付いたカワハギの様な魚で
所謂　外道と呼ばれる
本命にはなれない魚ではあるが

一部の地域では　カワハギより美味いと
ギマをターゲットにして釣る釣り人も居る位の

市場には出回らない魚だが
味は非常に美味しいと
かねこさんが動画で言って居たから

あの身体についた
足の様な物で立つ姿が見たいし
その味にも興味があった

「ギマは沢山粘液を出すらしくてね、
漁師さんには嫌われてるらしけどね？」