第73章 残りの結婚休暇の使い方 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
それぞれの好みのパスタとピザ
メインを選んで内線で注文する時に
杏寿郎が焚き火を起したいので
薪を持って来て欲しいと依頼していて
しばらくすると
焚火を起すための薪と
瓶入りのハイネケンが届いて
「ハイネケン頼んだの?」
「ああ、暑い時のハイネケンは美味いからな」
今から 焚火を起すので
そのお供にハイネケンの瓶を
テーブルの上に栓を抜いてスタンバイさせていて
「あんまり、飲み過ぎないでよ?杏寿郎
今夜は、夜が本番でしょ?
杏寿郎には、沢山車エビ掬って貰わないと」
「まだこんな時間だぞ?えびすき漁は
21時からだろう?その頃には
今酔っぱらっても流石に醒めるからな」
そう飲み過ぎない様に言うと
その時間には醒めていると
杏寿郎が言って来て
届いた薪を焚火ピットに
綺麗に薪を並べて 着火剤を掛けると
バーナーでそれをあぶり始めて
「はい、飲むんでしょ?」
火を使って居る所為か
杏寿郎の額に汗が浮かんで居るのが見えて
みくりが栓を抜いて置いていた
ハイネケンを飲むのかと尋ねると
「もう、1本あるだろう?」
そう杏寿郎が袖でその汗を拭うと
二本並べて置いてある
ハイネケンの瓶を指差して来て
「もしかして…、私の分?」
「一人で先に飲んだって、
君は、怒ってただろう?」
そうここで昨日 バーベキューをして
火を起こしながら杏寿郎が
先にビールを飲んでいたのを
不満そうに指摘した事を言って来て
「だから、先に乾杯をしようと思ってな」
取ってくれと言われて
その瓶を杏寿郎に手渡すと
お互いの手にある瓶を合わせて音を立てて
乾杯をすると
グラスにも移さずに
そのままその口に自分の口を付けて
良く冷えたハイネケンを流し込むと
「ハイネケン、夏場にいいと思うの。
飲み口が軽やかですっきりしてるし
苦味もマイルドで爽やかだから」
「女性にも飲みやすい味だな」
「杏寿郎にはパンチが無さ過ぎて、
物足りない味なんじゃないの?
コクやキレ、酸味や苦味は
そんなにない味だから、杏寿郎の
好きなタイプとは違うんじゃないの?」
視線を自分が起こしている火に向けながら
グイっと杏寿郎がハイネケンに口を付けると
「成瀬さんが…君の好みのワインの味を
熟知してるとあの時話したが…」
そう呟く様にして杏寿郎が言って
何かを考え込んでいる様だった