第73章 残りの結婚休暇の使い方 後編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
みくりのマニアックな雑学が
役に立つシーンがあるのかと
杏寿郎が問い返して来て
「でも、それはいつか分からないんだよ。
今は、スマートフォンがあるから
調べようと思えば調べられるでしょ?
でも、検索しようもないような時ない?」
「調べたい物が、分からなさすぎる時か?」
「キーワードすらも、分からない時あるでしょ?
そういう時に、誰かが分からない事を
思い出すきっかけになったりするんだよ。
知ってる事が役に立つ時が10年後とか
そんな時もあるからね。
それまで無駄って言えないよ」
そうみくりがその無駄な雑学が
無駄ではないと言う理由を話して来るが
俺はこの先ここを回っている間に
他の動物のイメージを彼女に
またしても覆されるのかと
恐れてしまっているんだが
奥さんの興味がある物に限局してるから
興味がない物に関しては
見てるだけで 興味ないんだなと分かるから
その温度差も見てて面白いんだが
「ねぇ、そこの素敵な旦那さん」
みくりがそうこちらに声を掛けて来て
「ん?どうかしたのか?
俺の素敵で可愛い奥さん」
「折角デート、なんだしさ。
手とか…繋がないかなぁって」
「繋ぐのはいいんだが、今はその…
奥さんには辛いんじゃないのか?
時期的に、繋ぐのは」
今は丁度排卵の時期だから
いつも以上に身体が敏感になるし
疼きやすいから手を繋ぐと
それを性的に感じてしまう様な
そんな身体をしているので
「それは、旦那さんが繋ぎながら
厭らしい触り方とか
して来るのが悪いんだってば。
普通に繋ぐんだったら、大丈夫だもん」
「はいはい、繋ぐだけだな」
そう言ってこっちが差し出した手に
自分の手を重ねて来るから
そのままギュッと握って歩き出す
「ねぇ、杏寿郎」
「何だ?」
「こっちなの?」
「ご不満か?」
「恋人繋ぎがいい」
「後で苦情は受け付けないからな?」
握ってだけの手を
恋人繋ぎに繋ぎ直して来て
手を繋いで 夏場の平日の
人もまばらな園内を歩く
「デートぽいな」
「え?デートでしょ?これも
旅行なのは、旅行だけど。
観光?観光と言えば観光だけど」
園内を一周して
元来た連絡ゲートから
フラワーパークの方へと戻ると
そのまま駐車場へと戻った
「早めにお昼にして、乗りに行くか」
ここから遊覧船の乗り場は目と鼻の先で