第72章 残りの結婚休暇の使い方 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
みくりの手から
その焼けた棒パンを受け取らされて
綺麗にこんがりと
きつね色に焼けているパンからは
香ばしいいい香りがしていて
「美味そう…だな」
その香りに食欲を刺激されて
いつの間にか
キチンとみくりが
ソファに座ってパンをかじって居たので
「杏寿郎!美味しいよ?
焼きたて、食べようよ。早くッ」
もぐもぐとソファに並んで座って
焼けた棒パンをかじる
「ふふふ、美味しいね。杏寿郎」
「ああ、そうだな。美味いな」
相変わらずだな みくりは
最初に出会った時と同じで
美味そうに食べるな… 本当に
「杏寿郎?食べないの?美味しいよ」
食べる様に促されて
棒パンに噛り付くと
要らない物が入ってない素朴な味がして
「美味い…な」
「マシュマロも、焼こうよ。
焼いたマシュマロ、神の食べ物だよ?
マシュマロあんまり得意じゃないけど、
チョコレートフォンデュと
焼いたマシュマロは食べたいもん」
そう言って大きなマシュマロを
袋から出すと串を刺して
杏寿郎にどうぞと手渡して来る
わくわくと嬉しそうな顔をして
みくりがマシュマロを炙っていて
その嬉しそうな横顔を見ていると
あの時の事を彼女の口から無理に
聞き出すのも 俺の勝手な
願望でしか無い様な気がして来る
その大学時代の何かが
時折彼女を今も苦しめているのは
時折うなされているのを見ているから
俺も知っている…
成瀬さんが俺にLINEで話したいと
言って居たのは
以前に中条市の結婚式場で
俺があの人に鎌を掛けた事へ対しての返事で
あの時にあの人も俺に
それを話すか悩んでいたと言うが
良い様に濁された記憶しか無い
直接会って話したい内容だと言うので
今月は多忙で予定が取れないと
あちらが言って居たので
来月に話をする約束は取り付けた
幸か不幸か
来月は九州に研修に行くので
その俺の研修の日程に
来月なら都合が付くので
わざわざ合わせてくれるらしい…
「ねぇ、マシュマロ、焦げちゃうよ?」
そう隣から
心配そうな声が聞こえて来て
焦げそうになっていたマシュマロの
串を握っている俺の手を
みくりが掴んで持ち上げて来る
「あ、ああ、すまない。
ぼんやりしてしまっていた様だな」
「杏寿郎のマシュマロ、食べたい」
そうみくりが言って来て