第72章 残りの結婚休暇の使い方 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「まだ、飲み足りなかったのか?」
「うん?そんな気分の時ぐらい、
私にだってあるよ?杏寿郎が
知らないだけじゃない?」
私は割と 素直じゃない所があるし
肝心な事に限って言えなかったりするし
今日の事だって 杏寿郎に
折角予約して貰ってたのに
悪い事したなって思ってる部分もあるから
謝りはしたけど 流される様に
許されちゃってたから
スルッとみくりが杏寿郎の
両方の頬に手を添えて
じっと潤んだ瞳で見つめられてしまって
そのまま 軽く鼻の頭に歯を当てられて
「鼻?口じゃないのか?」
「ねぇ、杏寿郎…。
あのね、今日は、ごめんね?
その、折角あそこのオーベルジュ
私の為に予約してくれてたのに」
「突然、何かと思えばそんな事か?
俺も、君と相談しないで
いつも勝手に決めてしまいがちだからな。
子供の事だって、そうだ。
君が、俺と過ごす時間を大事にしたいと
言ってくれていたのに、その意味が
ちゃんと見えて無かったからな」
お互い様だろう?と
杏寿郎が付け足して
苦笑いする様にして笑って
「だから、君がそれを謝るんだったら。
俺も、謝らないとダメになるだろう?
自分の気持ちばかりが、先に
立ちすぎてしまって居たからな」
夫婦なんだから子供を作る物だって
誰かにそうしなさいと言われて
する物でも無いし
結婚したんだから作るのが当然と
君と過ごす時間よりも
そっちを優先させてしまいつつあったし
「作る作らないとかじゃなくて、
そうしてる内に出来たらなって
そんな風に…思ってる…の、今は。
今月作ろうとか、来月作ろうとか
そんな風に思わなくてもいいのかなって」
杏寿郎がみくりの背中に
手を回して来て
ビーチベットの上に倒れながら
自分の身体の上にみくりの身体が
もたれ掛る様にして乗せると
そのまま背中に当てて居た手で
よしよしとみくりの背中を撫でて来て
「欲しいって気持ちもあるし、
待って貰ってもって気持ちもあるから。
自分でも、どうしたらいいのかがね?
ちょっと、分からないで居るの」
こっちに気を遣う発言でもなくて
きっと今の迷っているとも取れる
その言葉が正直な気持ちなのだろうな
「その、欲しいんだよ?赤ちゃん。
欲しいんだけどね。不安でもあるし。
こんな風に、お酒一緒に飲めなくなるのかとか」