第72章 残りの結婚休暇の使い方 中編 お相手:煉獄杏寿郎 現代パロ
「こうして、旅行とかもね?
妊娠したら、安定期に近場でって
なるかも知れないけどね。
いざ、生まれちゃったら
当面の間は難しくなるしとかね。
考えたりするとね、今ってやっぱり」
大事な時間なんじゃないかなって
「こうして過ごす、夫婦の時間には
もう、戻れないもんな。みくり。
そうなってしまったら、今まで通りに
全て進まないのも、わかってるんだがな」
「毎日、一緒に居るのに
こんな事言うのおかしいかも知れないけど。
杏寿郎と、一緒に居たい」
多分 建前とか
俺への気遣いとか
そんな物とかも大正の時の心残りとか
色んな感情が 想いがある中で
彼女が俺に伝えて来た
一緒に居たいの意味が
愛の告白の様にしか聞こえなくて
それは 色んな物を取り払って
一番根元の部分にあった
素直な感情が言わせた言葉でしかなくて
「杏寿郎…、キス…してもいい?」
そう今度はさっきとは違う意味で
キスがしたいと言って来られて
さっきまでの厭らしさは
今の彼女からは感じられなくて
その代わりに 心の奥から
湧き上がる様な 温かい愛おしさに
自分の胸が包まれて行くのを感じる
「みくり、好きだ、君が好きだ」
「へへっ、今の好きはちょっと
こしょばゆい感じがするね。
うん、好きだよ。私も、杏寿郎が好き」
お互いの唇を引きあう様にして重ね合って
そのまま その心地良さに自分を委ねる
グイっと後頭部に杏寿郎が
手を伸ばして来て もっと深く
お互いの舌が絡む様に引き寄せられて
「んっ、ふ、ぁ…ん」
心の中を満たされて居ながらに
自分の奥底から
飢える様な乾きの存在を感じるから
自分から舌を彼の舌に絡めて行くと
彼の口腔内に舌を押し返しながら
自分の舌も押し込んで行く
「目、開けたまま…したい」
普段の彼女なら
そうする時は目を閉じるから
自分が開けたままなだけでなくて
こっちにも閉めないでと訴えかけて来て
お互いの舌を絡めながら
お互いの視線も絡め合う
求め合う様にしてギュッと
指と指を絡めて繋ぐと
その指と指を絡めて繋いだ手を
力を込めて握り込まれるから
ギュッとその力に比例して
胸を締め付けられて行くのを感じる
「杏寿郎、好き…ッ」
そう言葉に乗せても
言葉には乗り切らないから